啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「成功の復讐」

 別名「イノベーションのジレンマ」。
特定の技術や事業モデルが大成功し、大成功したがゆえに次の波を掴み取り損ねるという現象で、勝ち組によくある現象と言われています。
 1999年にソニーの共同創始者盛田昭夫氏が亡くったとき、アップルの製品展示会の壇上で、故スティーブ・ジョブ氏は、自社の新製品の発表の前にソニーの今までのヒット商品を並べあげて、盛田氏の業績を称えました。
 しかし、10年後の今、株式総資産でソニーはアップルに抜かれてしまいました。
 その原因は「成功の復讐」にあったと、本日10月15日(日)の日本経済新聞朝刊(日曜版)がコラム「イノベーション」で伝えています。
 いまのソニーの衰退は、成功にこだわりすぎて、次の時代のニーズを把握できていないことによると断じています。まさに、『成功の復讐』・『イノベーションのジレンマ』ですね。
 また、イノベーションの裏には必ず立役者あるいは英雄がいるものであるが、そのような人材の排出がないと指摘しています。
 これは、ソニーだけの問題ではなく、今の日本社会の問題点を鋭く突いているように思います。
 時代の先を進もうとするとき、必然的にその時代に合わないため、人はその時代からはじかれた異端児になってしまいます。異端児でなければなりません。
 したがって、その時代の優等生を志向しているメンタリティでは、時代の先取りが不可能なのです。