啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

ブレンドル

 ブレンドルとは、記事を「バラ売り」でネット配信するオランダ発のベンチャーの会社の名前です。
1つの記事を数十円で読めるということで、新聞購読をしない若者に、特に欧州の若者に好評を博しているとか。もう65万人もの利用者がいるそうです。
新聞社などの配信側も、記事単位での販売を許せば、月極めのような定期購読者がその分減ることを予想して、当初記事単位の販売に慎重だったところが、そのような現象は起きていないことから、記事単位の販売にも乗り出し、一気にブレンドルが売り上げを伸ばしてきているのです。おそらく、定期購読者層は年配が多く、記事単位の購読はもともと定期購読をしていない若者が多いため、いい記事や好きな記事だけは読みたい若者達の市場を形成していることが推測されます。
ちょうど、アップルのituneが楽曲ごとの販売で大成功したように、ブレンドルもきっと大成功していくのでしょう。それにしても、「コロンブスの卵」のようなこの話は、大成功のベンチャーネタは、足元にたくさん転がっているのに、多くの人は気付かないか、成功まで持っていく根気と情熱がないのか、ものにできていないことを物語っています。
では、どうしたらモノにできるのか?ブレンドルの創始者は、元記者で「いい記事は多くの人に読んでもらいたい」との一念を持ってベンチャーを始めたと言われています。「何をしたら金設けになるか?」という発想では、皆んな同じことを考ええるので、このモノにできるネタを結局は考えつかないようです。一方、「雑貨屋さんを始めたい」とか、「自分も楽しめる飲食店を始めたい」といった一般的な発想も陳腐過ぎて駄目なようです。もう少し、オタク的な発想が必要なのでしょう。
つまり、他の人と異なる自分の好みや発想は一体何か、といった自分探しが一番大事なように思われます。まさに、科学者としての存在意義の自分探しと、全く同じプロセスが必要だと言うことでしょう。