啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(金) 米国大統領選で決まらないときは下院議長が?!

2020 10月20日()、日本経済新聞は、米国の大統領選挙が混乱して大統領が期限の2021年1月6日までに決まらなかった場合には、下院が全州選挙で大統領を決定し上院が副大統領を決定することになり、それでも下院で大統領が決まらないときは上院で決まった副大統領大統領になり、それでも決まらなかった場合には下院の議長が大統領を代行することになる、という記事を掲載しました。

 現在に下院議長は民主党ペロシ氏、トランプ大統領が議壇での演説前に握手をしようと手を差し出したところ完全に無視されたため、トランプ大統領の演説が終わるや否や大統領の背中側で演説原稿を破り裂いたあの女性議長である。

 

まさかそこまで縺れ込むことはなかろうとは思いますが、いずれにしてもトランプ大統領の大統領選での勝ち目は微妙にないような雰囲気形成が、テレビ局などから出来上がってきていると言われています。

 

(木) 現地の週末に思いもかけないプレゼントが!

 ここ現地のサウジアラビアでは、毎週の金曜日と土曜日が休日ですので、木曜日が休日前日となります。このため、木曜日の夜は「はな木」以上の意味合いがあって、日本の金曜日の夜に相当する感じでしょうか。

 今日の木曜日も、いっぱいの打ち合わせや遠隔会議の連続で、特にこの日の最後はヨーロッパ系のある学術雑誌の2年ぶりの編集者会議が世界各地からの編集者を集めてヴァーチャルで3時間を超える長丁場でした。

 この机に長時間座り続けた後の緊張感をほぐしながら、ようやく現地時間で午後6時半頃に(日本時間の翌日の午前零時半頃)に、いつもの冷凍野菜を解凍して牛乳とともに簡単な夕食を済ませたちょうどその時でした。

 「ピンポーン」と日本のものと違った甲高い玄関のチャイムが鳴り響きました。コロナ禍の状況もあって、予約の家屋の修理チーム以外には客人が訪れることも極めて少ない中で、このチャイムは尋常でないことは明らかでした。

 慌ててマスクをつけて玄関に小走りに向かい、玄関の戸を開けたら、もう真っ暗になった玄関先に見慣れた顔が4人立っていました。思わず「え、どうしたの?」と怪訝そうな表情の教授を見るや、みんなで「ハッピーバースデー!」との声が一斉に鳴り響きました。

 そして、おもむろに大きなフルーツとチョコレートのバースティケーキを蓋を開けながら、差し出してくれたのでした。

 そういえば、この週末近くに誕生日を迎えることを事前に察知してくれていて、週末も夜に皆んなで示し合わせて教授の自宅まで来てくれたのでした。

 年齢を重ねてきますと、なんとかなく誕生日が来るのが嫌というか、億劫に感じることが多くなってきます。しかし、異国の地で多様な国籍の同僚からわざわざ心温まる配慮をいただいたときは本当に嬉しいものです。

 それに、とても美味しく見えるケーキまでも持ってきてくれたとなると、嬉しさも格別となります。本当に「ありがとう!」と何度も言いたいほど、嬉しいものでした!




(日) 格言「自分だけの発見と思ったら世界には少なくとも3人が同じ発見をしていると思え!」

 教授の英語原著論文の数がいよいよ500本を超えてきている中で、サウジでの勝負論文も正念場を迎えて来ています。勝負論文はどれも5-6年をかけての成果なので、スピード感のいる国際研究競争の中でどう発表していくかは、とても悩ましい問題です。

 Nature誌は、多くの姉妹誌を発刊しており、昨年12月あたりからレター(Letter)と言われる短報を廃止してアーティクル(Article)と言われる本報のみにしたこともあって、その採択率はさらに下がって激戦度がさらに増しているように思われます。実際、そのインパクト・ファクターも非常に上がって来ており、狭き門の程度が一段上がってきている印象を持ちます。

 Nature CommunicationsというNatureの姉妹誌も、その投稿料の高いことで有名ですが、このインパクトファクターも徐々に上昇しており、難関誌に仲間入りしてきている状況になってきているようです。

 そういった中で、いかに独創的で有意義な発見をしたかということが、その論文発表において一番大事なことですが、同時に一番難しいことでもあります。そういう中で、格言「自分だけの発見と思ったら世界には少なくとも3人が同じ発見をしていると思え!」を思い出しています。

 大体人間考えることは同じですから、研究状況が似てきているときには特にこの格言は重要です。とてもいいことを思いついたり発見した時は、世界中を見渡せば必ずや同じような発見をしている人が複数はいるだろうと言うことです。

 そういう状況の中で、それらの他の人に優位性を持つには、とにかく「これでもか、これでもか!」の三重四重の証拠を出すことで区別化を図るしかありません。見つけた発見が新規で独創的で有ればあるほど、このことが研究発表の鍵になることは言うまでもありません。

 そこに向かって必死に頑張るしか、結局はそれ以外にいい方法はないものと思われます。

 

 

 

(火) ついに「鬼滅の刃」全23巻セットで予約購入!

漫画やコミックを読まなくなってもう何十年にもなる教授ではありますが、この2020年12月に発売予定の話題のコミック「鬼滅の刃」第23巻という最新作を含むセットを、ついに予約してしまいました。

 本当は、「頭文字D」の復刻版などを期待していたのですが、「鬼滅の刃」を優先してしまったということは世間の波に呑み込まれてしまった感も否めませんけれども、全1億冊を売り上げたという伝説のコミック本を見てみたいという衝動は仕方いないかもしれませんね。

 

https://usedoor.jp/howto/life/book/kimetsu-no-yaiba-comic-yoyaku-buy-get/

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/60ef50d7eaf53f1b053053a2005c418b96e89634

 

 

(月) 注目されるMLCC (積層セラミックコンデンサー)とは?

 村田製作所TDK太陽誘電などの日本企業が世界市場のかなりの部分を占めているMLCCとは、「セラミックと金属電極を多層化することによって、小型大容量化を図ったチップ型コンデンサー」のことで、蓄電や電力安定そしてノイズ除去を行う電子部品で、現代の電子機器に必須の部品と言われています。

 特に、スマートフォンはもちろんのこと、薄型テレビ、5Gの基地局、そして電気自動車のパワートレインには非常に多くのMLCCが必要とされています。

 この技術を巡っては、日本企業が世界優位の競争力を誇っており、日韓のフッ素素材問題の第2弾の候補にもなっていると噂されているものです。

 このようなニッチェ(市場における特別な位置)的というか、オフ・メインストリームというか、他では真似ができないような製造技術が今後の産業発展の中心になっていくものと思われます。

 そのようなところに、今後の日本企業の発展の巻き返しが図れていくような気がします。

 

(日) 関西学院大学(神戸三田キャンパス)に生命環境学部 生物学科新設(2021年4月)

最近、関西地域大学で生命科学や生物系学科の新設や増設が相次いでいると言われています。

 少子化の進む日本において国公立大学M&A (合併統合)が加速している現状において、この異質な動きの背景については、またいずれ分析してみたいと思いますが、関西学院大学の例をご紹介したいと思います。

 関西学院大学の神戸三田キャンパスに2021年4月から開設予定で、高校受験生への告知や広告を始めた生命環境部・生物科学科は、各研究室や教授など教員の布陣も本格的なものです。

 定員61名のこの生物科学科は、データサイエンスの導入も特徴のひとつとしており、対象分野も非常に魅力的なものになっているようです。

 学生の卒業後の進路は、予想の範囲を超えてはいませんが、将来的にさらに発展する産業分野に学生就職の照準を合わせているようです。

「卒業後の進路

  • 医療・保健・製薬
  • バイオテクノロジー関連企業
  • 化学系・食品・化粧品・種苗等の業界
  • 開発・研究職
  • 公的機関
  • 中学・高校教員等
  • 大学院進学」
こ今後において、いろいろな意味で要注目の大学ではないでしょうか。
 
 

(土) ローマ皇教庁アカデミーの総会(2020 )が遠隔で無事に終了!

ローマ皇教庁アカデミー(前にはローマ法王庁アカデミーとも呼ばれ、英語ではPontifical

Academy of Sciences)の総会(Plenary Session)が、Zoom会議で開催されました。2年ごとに開催される今年は、長い歴史の中で初めて遠隔で、2020 年10月7、8、9日と3日間ににわたって毎日4時間を費やして開催されました。

 テーマ「生き残りと科学」というタイトルで「COVID-19」がテーマでした。

初日は、WHO事務局長の話から始まり、2日目には米国NIH所長のフランシス・コリンズ博士の講演ありました。個人的には久しぶりに遠隔ながらお会いしたのですが、今もほとんど自宅での仕事だと言っておられました。講演の後、質問もいろいろありましたが、きつい質問は「これからNIHをどう立て直すのか?」という単刀直入の質問もあって、トランプ政権と政治的に対峙するNIHの状況が緊迫感のある中で語られました。

 数日前にニューイングランドジャーナル医学誌が、「科学に無能な米国の現政権」と言った表現で激しく批判した状況から比べれば、現政権下の直の組織内にいる身としては、なかなか素直には回答できないNIH所長の立場でしょうが、基本的には極めて楽観的な見通しを述べていたのが印象的でした。

 ワクチン開発に巨額な資金供与をおこなった米国の現政権ですが、ハーバード大学医学部教授の講演では、米国では3つほどがフェース2から3に向かっており、確かに年内の供給に照準合わせているように思われました。

 陽性で治療を受けたトランプ大統領自身が大きく宣伝したようになったリジェネロン社の抗体のカクテル療法には、NIHのコリンズ所長は慎重でしょうで、「まだその継続的な有効性は分からない

」と言った意見でした。

 

(金) ノーベル平和賞に国連食糧計画!

先程、ノルーウェイのノーベル平和賞委員会は、2020 年のノーベル平和賞に国連食糧計画を授与することを発表しました。

 発表の様子を実況中継で見ていましたが、確かにスウェーデンでのノーベル賞の発表とはわずかに雰囲気が違う感じがしました。

 世界的な「飢え」に注目してほしいということを述べていたのが印象的でした。また、古代から「飢え」が争いの戦略として用いられてきたことにも言及があり、その後の質問にもそれが取り上げられてきていました。

 今年は、それに加えてコロナ禍(COVIS-19)が戦争国の飢えに苦しむ人々にさらなる苦渋を与えていることも述べられて、現地に近いイエメンも例示された飢えに苦しむ戦渦の国の一つと述べられたことは、これもまた印象的でした。

 


(木) ニューイングランドNEJMのトランプ大統領批判

ニューイングランドジャーナル医学誌(New England Journal of Medicine" (NEJM)という超一流学術医学誌が、2020年10月8日付の論説で、「米国の政治指導の空白が多くの死者出している」という題目の下、コロナ禍(COVID-19)で死者が急増する米国の政治的問題点を鋭く指摘しました。

 まずは高齢化の進む日本におけるコロナ禍による死者数と比較して米国の突出した死者数の多さなどを例示して、具体的に数々のコロナ禍対策の失敗を列挙しています。特に、NIH (National Institutes of Helsth), CDC (Center for Disease Control), FDA (Federal Drug Administration)などの健康医学研究機関を現政権が政治的に弱体化させて、科学的に適切な措置を取れなくしたと言及しています。そして、最後に「現政権の継続が起こるような投票行動はしないように」と呼びかけている極めて異例の論説となっています。

 おそらく、科学者や医学者としての現場に対する正義感から、これ以上の死者の増加は耐えられないという切羽詰まった状況の現れだと思われます。

"Dying in a Leadership Vacuum | NEJM"

 

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe2029812

 

 

朝日新聞デジタル版の2020 年10月8日14時24分発信(日本時間)の記事においては、「

「トランプ氏に投票しないで」米医学誌が異例の社説」だという見出しとともに、以下のような記事を載せました。

 

トランプ政権をこれ以上存続させ、さらに数千人の米国人を死なせるべきではない――。医学界で最も権威のある米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンが、11月の米大統領選でトランプ氏に投票しないよう社説で呼びかけた。こうした呼びかけを出すのは同誌の208年の歴史の中でも初めてだと、ニューヨーク・タイムズなどは報じている。

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASNB84QBWNB8ULBJ004.html%3Fusqp%3Dmq331AQRKAGYAc2AkMKCztOeowGwASA%253D

(月)2020 年ノーベル医学生理学賞は「C型肝炎ウイルスの発見」へ

 今や日本でも生でも中継されほど注目される2020 年の「ノーベル生理学医学賞」の発表ですが、C型肝炎ウイルスの発見に貢献した北米の3教授に授与されることになりました。

ロチェスター大学のハーベイ・オルター氏(Harvey Alter)

ロックフェラー大学チャールズ・ライス氏(Charles Rice)、

カナダのアルバーター大学のマイケル・ホートン氏(Michael Houghton)

です。

 

日テレNEWS24」日本時間10月5日18:49配信によりますと、以下のような記事が出ています。

「今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者が発表され、アメリカとイギリスの研究者3人の受賞が決まりました。日本人の受賞はなりませんでした。 受賞が決まったのは、アメリカ・ニューヨークにあるロチェスター大学のハーベイ・オルター氏(Harvey Alter)、ロックフェラー大学チャールズ・ライス氏(Charles Rice)、カナダのアルバーター大学のマイケル・ホートン氏(Michael Houghton)ら3人です。 選考に当たったスウェーデンカロリンスカ研究所は、いままで判明していなかった慢性C型肝炎の原因を解明し、血液検査と新しい治療薬により数百万人の命を救ったことなどを受賞理由にあげています。それまでA型肝炎とB型肝炎の治療は進んでいたものの、血液を介して感染するC型肝炎については解明が進んでいなかったとしています。 授賞式は今年12月に予定されていますが、新型コロナウイルスの影響でテレビ中継方式で行われ、受賞者は直接出席せずにメダルや賞状をそれぞれの国などで受け取ります。」

 

引用:

https://news.yahoo.co.jp/articles/9cd46e8b3a71ae055a572646a9ea206f37852d07

 

 

(金) 揉める東大総長選考

「東大新総長選びに「疑問」ノーベル賞梶田氏らが要望書」という見出しのもと、以下の記事を出しています。

 

「現在進められている東京大学(五神〈ごのかみ〉真総長)の新総長選びのプロセスに疑問があるとして、ノーベル物理学賞受賞者で東大宇宙線研究所長の梶田隆章氏ら学部長や研究所長の有志が、東大の総長選考会議に対し、説明を求める要望書を送ったことが25日、わかった。

 24日付で要望書を送ったのは、梶田氏のほか、法、文、医、薬の4学部の学部長や地震研究所長ら15人。」

引用: 

https://digital.asahi.com/sp/articles/ASN9T6D1CN9TULZU00T.html?oai=ASNB57JJ9NB5UTIL04R&ref=yahoo

 

しかし、教授が知っている人々のお名前がいろいろ出てくるので、少し驚きながら戸惑いながら事態の推移というか、状況の理解を探っていました。サウジに行く前まで約6年に亘って東大の特任教授をしたりしていましたので、自ずと関心は広がります。

 

そういった中、President Onlineの日本時間の2020 年10月2日6:16配信

「「いったい誰が土下座するのか」東大総長選をめぐるドロドロの権力争い」という刺激的な見出しのという記事が出ました。内情のかなりの部分がわかりました。もっと知っている人達のお名前がどんどん出てきるので、早急な解決を望むものです。

 

引用:

https://news.yahoo.co.jp/articles/33178af26414c1bffdb3ea72868046d357128853?page=1

 

 

 

(土) サウジ主催「S20」サミットが開催

 本日2020 年9月26日は、遠隔ではありますが、サウジがホスト国となっています「G20」(「Government 20」)の関連として毎年開催されている「S20」(「Science 20」)のサミットが本日教授が主務としているサウジの大学のKAUSTで開催されます。

 一応参加が要請されておりますが、ただどのように参加するのかの指示がまだきておらず、本日は休日ではあるものの、予定が立たずに困っている状況です。

 まあ、そのうち連絡があるでしょう。