啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(土) ローマ皇教庁アカデミーの総会(2020 )が遠隔で無事に終了!

ローマ皇教庁アカデミー(前にはローマ法王庁アカデミーとも呼ばれ、英語ではPontifical

Academy of Sciences)の総会(Plenary Session)が、Zoom会議で開催されました。2年ごとに開催される今年は、長い歴史の中で初めて遠隔で、2020 年10月7、8、9日と3日間ににわたって毎日4時間を費やして開催されました。

 テーマ「生き残りと科学」というタイトルで「COVID-19」がテーマでした。

初日は、WHO事務局長の話から始まり、2日目には米国NIH所長のフランシス・コリンズ博士の講演ありました。個人的には久しぶりに遠隔ながらお会いしたのですが、今もほとんど自宅での仕事だと言っておられました。講演の後、質問もいろいろありましたが、きつい質問は「これからNIHをどう立て直すのか?」という単刀直入の質問もあって、トランプ政権と政治的に対峙するNIHの状況が緊迫感のある中で語られました。

 数日前にニューイングランドジャーナル医学誌が、「科学に無能な米国の現政権」と言った表現で激しく批判した状況から比べれば、現政権下の直の組織内にいる身としては、なかなか素直には回答できないNIH所長の立場でしょうが、基本的には極めて楽観的な見通しを述べていたのが印象的でした。

 ワクチン開発に巨額な資金供与をおこなった米国の現政権ですが、ハーバード大学医学部教授の講演では、米国では3つほどがフェース2から3に向かっており、確かに年内の供給に照準合わせているように思われました。

 陽性で治療を受けたトランプ大統領自身が大きく宣伝したようになったリジェネロン社の抗体のカクテル療法には、NIHのコリンズ所長は慎重でしょうで、「まだその継続的な有効性は分からない

」と言った意見でした。