教授の英語原著論文の数がいよいよ500本を超えてきている中で、サウジでの勝負論文も正念場を迎えて来ています。勝負論文はどれも5-6年をかけての成果なので、スピード感のいる国際研究競争の中でどう発表していくかは、とても悩ましい問題です。
Nature誌は、多くの姉妹誌を発刊しており、昨年12月あたりからレター(Letter)と言われる短報を廃止してアーティクル(Article)と言われる本報のみにしたこともあって、その採択率はさらに下がって激戦度がさらに増しているように思われます。実際、そのインパクト・ファクターも非常に上がって来ており、狭き門の程度が一段上がってきている印象を持ちます。
Nature CommunicationsというNatureの姉妹誌も、その投稿料の高いことで有名ですが、このインパクトファクターも徐々に上昇しており、難関誌に仲間入りしてきている状況になってきているようです。
そういった中で、いかに独創的で有意義な発見をしたかということが、その論文発表において一番大事なことですが、同時に一番難しいことでもあります。そういう中で、格言「自分だけの発見と思ったら世界には少なくとも3人が同じ発見をしていると思え!」を思い出しています。
大体人間考えることは同じですから、研究状況が似てきているときには特にこの格言は重要です。とてもいいことを思いついたり発見した時は、世界中を見渡せば必ずや同じような発見をしている人が複数はいるだろうと言うことです。
そういう状況の中で、それらの他の人に優位性を持つには、とにかく「これでもか、これでもか!」の三重四重の証拠を出すことで区別化を図るしかありません。見つけた発見が新規で独創的で有ればあるほど、このことが研究発表の鍵になることは言うまでもありません。
そこに向かって必死に頑張るしか、結局はそれ以外にいい方法はないものと思われます。