啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(日) 10兆円研究支援ファンドの行方

 2020年10月日に、文部科学省は研究支援のための10兆円ファンドを2021年度に創設するということで概算要求を行いました。(注を参照のこと)

 このファンドは非常にいい考え方と思われますし、是非とも実現させて欲しいと思います。

 一方、「若手」と言われた任期付きの助教や准教授の方々が、再延長されない期限の10年を迎えてくると同時に、多くが年齢的には40歳代に突入する世代となりますので、人事的にはいよいよ正念場を迎える時が来たように思います。

 団塊の世代の教授層が退職を終えて、多くの教授ポストの新規募集の波が起こるかと期待されたのに、多くの大学はポイント制による人事募集の順番性が定着して、結局は毎年漸減して複利的に減少する運営交付金に対応するために、多くの教授ポストが廃止に追い込まれたものと思われます。このため、昇進して安定的な研究ポジションに着くことが非常に困難になってきているように思われます。

 この10兆円ファンドの投資を成功させて、その果実を幅広い大学において多くの研究者のポジション確保に振り向けられるといいように思います。人事も「将来への投資」ですので、我が国における研究者の継続的な確保は「待ったなし」の重要課題だと思われます。

 

注) 2020年10月1日09時38分 朝日新聞デジタル

「大学の研究支援のファンド、政府が創設へ 10兆円規模」の見出し

大学の研究や若手の育成を支援する最大10兆円規模のファンド(基金)を政府が来年度にも創設する。将来的に年数千億円の運用益を目指し、研究費や若手の待遇改善に充てる方針。文部科学省が来年度予算案の概算要求に盛り込んだ。」

「発表では、基金は国が資金を拠出し、運用機関に委託して国内外の債券や株式などに投資する。運用額を段階的に増やし、10兆円規模を目指すという。ただ、運用益が出て配分できるまで数年かかりそうだ。」

 「支援対象は、東京大や京都大といった国際的に高い研究力がある大学。実験機器の購入やデータの管理といった研究インフラの整備、若手研究者の育成、スタートアップ拠点の整備などに使うことを想定する。」

 

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASNB132VBN9YULBJ00M.html%3Fusqp%3Dmq331AQQKAGYAeHVs9HUl4TgJbABIA%253D%253D