啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(日) せんべろ

「せんべろ」という言葉を聞いて、これは一体何だと思ってすぐに調べたら、「千円でベロベロになるまで飲めるお店」のことでした。

 

Wikipediaによれば、以下のように解説されている。

「一般には作家の中島らもと編集者の小堀純が、共著の著書『せんべろ探偵が行く』(2003年ISBN 978-4163595009)で使い始めたのが最初と言われている。また、1980年代頃に中島らもの身内言葉から全国区に広まったとの記述もある。」

 「 1000円でべろべろに酔えるという価格帯の酒場の俗称ではあるが、実際には1000円でちょっと気の利いたおつまみとお酒2~3杯飲めるという意味合いが強く、発祥と言われている『せんべろ探偵が行く』(2003年ISBN 978-4163595009)でも、そういった酒場が多く紹介されている。」

「低価格でやおつまみ等を提供するという性質上、該当する店には居酒屋立ち飲み角打ちなどが該当する。」

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/せんべろ

 

 2003年が初出の言葉なので、17年前のことになります。日本の「バブル景気」は、一般には1986年12月から1991年2月までと言われています。したがって、日本のバブル経済が崩壊して、日本は「失われた10年」と言われ、それが「失われた20年」となり、今や「失われた30年」となってしまいました。

 ちょうど「せんべろ」は、「失われた10年」の最後に出てきた言葉で、それがほぼ20年後の現在も使われていることになります。まさに、バブル景気の時には「銀座ではビール1本が1万円」とさえ言われたことを考えれば、いわゆる「デフレ」の日本における長期化がいかに深刻に続いているか分かるような気がします。

 思えば、バブル景気を知らないで生まれた世代が今では30歳になっており、物心ついたのついたのが0歳の頃の世代が今は40歳となっているので、日本における「バブル景気」は、もう歴史的遺産ということになっているのでしょう。

 バブル景気の時のようなインフレ時代がいいのか、今のようなデフレ時代がいいのかは、価値観や社会観にもよるので一概には言えないことは当然です。しかし、国民の平均年収が、先進国や主要な発展途上国に比べてると、この30年間にわたって日本だけが減っていっている現実をみれば、もうこれ以上の日本の「貧困化」は止めなければいけないように思います。

 「せんべろ」で楽しみながら、一方でこの深刻な「貧困化」の状況をどう打破して行くは世代を超えての火急の課題と認識される必要があるように思います。