啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(木) サウジアラビアの大学KAUSTのキャンパスの美しさ

日本からサウジアラビアに戻り、1週間の隔離期間も終えて通算10回目のPCR検査も無事に陰性で、本日2021年1月21日から自由の身となりました。

 早朝に日課のウォーキングに出かけると、いつも以上に素晴らしい青空に美しい雲が戯れるように綺麗に浮かんでおり、思わずシャッターを切って写真を撮りました。また、サウジアラビアというのに緑に満ちたこの大学のキャンパスは実に美しいです。それもそのはず、早朝に多くの作業員が毎日キャンパスの手入れを行なっているからです。

 日本では、コロナ禍の悪化で非常事態宣言が出されて、都や主要な県では医療崩壊の危機に直面していると言われています。そして、日本の場所にもよりますが、寒い毎日が続いていると思います。この現地の美しい空とキャンパス写真を載せますので、是非これを見て元気を出してください。コロナ禍に負けずに一緒に頑張りましょう!

 

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(木) バイデン新大統領の就任式演説

日本時間の午前2時頃から、サウジアラビアの現地時間の午後8時頃から、ロイター電のリアルタイムの実況中継でバイデン米国次期大統領の就任式を見ていました。

 気づいたことが2つあります。

 一つは、メディアの事前報道の通りに、トランプ大統領はこの就任式に出席していませんでしたが、ペンス副大統領は出席していました。ペンス副大統領のこの出席は、議会に自身の支持派を差し向けるように扇動したとされるトランプ大統領とは一線を画したことになり、大きく傷ついた米国民主主義の象徴の多少なりとも「救い」になっているように思いました。

 もう一つは、バイデン大統領の就任式演説ですが、2派に分断された米国を「United」のままに統一することが大事だと力説していたのは分かるとして、「disagreement 」(不合意: 合意できないこと)を認めて一緒にやろうと言っていたのが印象的でした。ここでも議会が暴徒によって一時占領されたことについて、「こういうことは今日もなかったし、明日もないし、将来に亘って決して決して絶対にない!」と叫ぶように言っていたことから、米国政治の歴史に残るほどの大事件であったことが読み取れました。

 バイデン大統領の意気込みが直に伝わってくる演説ではありましたが、画期的な名演説となる名文句が一つも出てこなかったことが残念でした。

 トランプ大統領の就任式でのキーフレーズが「America First!」だったとすれば、バイデン大統領それは文字通りの「UNITED America」ではなかったかと思います。

 なお、レディガガさんの米国国家の独唱は期待通りでしたが、ジェニファー・ロペスさんが歌った「The Land is Your Land」という歌は、迫力に満ちた熱唱で「The Land was made for you and me 〜🎶」のフレーズは、心に残るものでした。


(参考引用)

http://www.magictrain.biz/wp/blog/2018/09/16/我が祖国-this-land-is-your-land-歌詞和訳-ウディ・ガスリー/


 

 

(水) mRNAワクチンの成功の秘訣: 塩基Uを類似体に変えていた!

ファイザー社と独ビオンテク社のmRNAワクチンは(モデルナ社のも創のようであるが)、どうしてワクチンとして効くかというと、専門的には2つの謎を解かねばなりません。

 一つは、RNAはDNAに比べるといっぱんに壊れやすく、mRNAも例外ではありません。このため、-80℃以下や-20℃以下での冷凍保存輸送が必要なことはうなづけます。しかし、いくら脂肪のナノパーティクル(ナノ粒子)でmRNAを包んでヒトの体内細胞に入れたところで、その粒子から出てきたらすぐに分解されたり壊れたりして、リボゾームまでたどり着いて安定的に組み込まれたウイルスと同じスパイク・タンパク質を発現させることは難しいと考えられます。

 もう一つは、ナノ粒子から出た外来のmRNAがヒト細胞に入るところや細胞の内で、mRNA自身が非自己として体内の認識の免疫システムに認識され、対象のウイルスと同じスパイク・タンパク質を発現させて免疫をつけさせる前に、このmRNAが免疫システムによって攻撃される可能性が高いと思われるからです。

 

 これら2つの難問を同時に解決させたのが、塩基Uを別の類似体に変えるという新技術で、その類似体が何かを発見したことでした。この画期的な発見は5年以上前になされており、これがわずか1年以内に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するmRNAワクチンを完成させるという画期的な成功に導いた秘訣の一つであったと言えるでしょう。

 また、このmRNAワクチンシステムは、対象とするウイルスのタンパク質の塩基配列の情報さえわかれば人工的に合成できるので、原則的には新型コロナだけでなくどんなウイルにも効くと考えられます。

 この画期的な塩基類似体の発見による新型コロナに対するmRNAワクチン開発は、故人的にはノーベル賞に値するのではないかと考えています。

 

(月) ゲノム情報をAIで大規模にデータマイニングする時代が本格化

2021年は、教授の分野で言いますと、ゲノム情報をAIで大規模にデータマイニングする時代が本格化に到来したと考えています。

 英語で造語をするとしたら、「Genomic AI Data Mining」(GAIDM)とかになるのでしょうか?たとえば、「ガイダム」とか呼ばれるような大きな手法に育って行きように思われます。

 そこに向かっていち早く準備をして、どんどん実証実験的な研究始めることが重要と思われます。

 

(火) サウジアラビアではワクチン接種が2020年12月から始まっていた!

サウジアラビアの日本人研究者の同僚がジッダ空港でワクチン接種を受けたという連絡をもらって、インターネットを調べたら、もう2020年12月にワクチン接種が始まっていました。

 それも、英ファイザーと独ビオンテックとが共同開発したワクチンで、日本も契約しているものです。


https://www.newsweekjapan.jp/amp/stories/world/2020/12/post-95215.php?page=1


どうして日本ではワクチン接種がまだ始まらないのだろう?そう思うのは教授だけではないと思います。

 早く日本もワクチン接種が始まると、希望も見えてきるように思います。


(日) 公案(こうあん)とは?

本日、2021年1月3日午後3時に、かねてから会見をお願いしていました禅寺の老師からあってもいいというご連絡を知人の方を通してありましたので、その知人の方とご一緒にその禅寺を午後4時から訪問させていただきました。約2時間にわたる「禅問答」でした。

 現在91歳になられる老師は非常にお元気そうでで、いわゆる「禅問答」が始まりました。その中で老師のお言葉にたびたび出てくる「公案」という言葉を調べてみました。

Wikipediaには、以下のように説明がありました。

公案(こうあん)

  1. 中国で、古代から近世までの役所が発行した文書。調書裁判記録・判例など。唐代の通語に由来する。
  2. 禅宗において雲水修行するための課題として、老師(師匠)から与えられる問題である。この項目で記述する。」

公案(こうあん)とは、禅宗で修行僧が参究する課題である。日本では昔から1千7百則とも言われ、法身、機関、言詮、難透などに大別されるが、その他に様々な課題がある。内容はいわゆる禅問答であって、にわかに要領を得ず、解答があるかすら不明なものである。有名な公案として「隻手の声」、「狗子仏性」、「祖師西来意」などがある。

 例: 両手を叩くと音がする。では片手の音とはなんだろう。(隻手の声)

禅道修行を志し、各地にある専門道場と呼ばれる養成寺院に入門した雲水は、公案を与えられ、これに取り組むことになる。数年間の修行中は僧堂で坐禅をしたり、寺の業務に従事しながら毎日、多い時には日に数度も、老師のもとに呼び出され、回答を求められる。思考の限りを尽くしてもそのたび老師に追い返され、なおも回答の提出を求められて懊悩する日々の生活は、きわめて厳しい。その過程を禅修行とする禅風を看話禅と呼び、臨済宗黄檗宗、韓国の曹渓宗看話禅に属する。近世には一定の数の公案を解かないと住職になれない等、法臘(年数)の他に僧侶としての修業度を表す基準ともなった。」

引用:

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/公案

 

(金) 2021年(令和3年)明けましておめでとうございます!

新年明けましておめでとうございます。

いよいよ2021年(令和3年)の幕開けです。

 現時点で、拠点としていますサウジアラビアもすでに年が明けていますが、ようやくアメリカで年が明けてきたところかと思います。

 皆様、昨年はこのブログを読んでいただきまして、どうもありがとうございました。毎日書き続けねばと思いながら、動静の変化が激しい毎日の出来事になかなか追いつけず、空白の日々が多くなってしまいました。

 それでも、過去を振り返りながら(retrospectively)埋めれるところは埋めながらも、なんとか今年も頑張って書いていこうと思いますので、今年もどうかよろしくお願い致します。

(水) spac (スパック)上場人気のもつ米国資本市場の可能性とリスク

「spac」(スパック)と言われても、「何のことやら?」という感覚の人達が多いと思います。これは、「spc」と言われた「特別目的会社」の意味から紐解く必要がありますが、ソフトバンコ・ホールディングがよくやって会社買収している方法という方が分かりやすいのかも知れません。

 もともと、不動産などを証券化して、より大きな資金を集めるために合理的に作るペーパーカンパニーがspcと略される特別目的会社だったのです。しかし、現在では新規上場前のベンチャーカンパニーが通常の面倒なIPOプロセス(新規上場プロセス)を経ることなく、上場した特別目的会社(今はspac(スパック)という)に買収してもらって、実質的な上場を果たすことが、米国の市場で非常に人気化しているのです。

 ご存知のように、「ジャブジャブ」というより「超ジャブジャブ」となったコロナ禍に起因する経済対策の有り余ったお金は、世界の株式市場の価格を驚異的に押し上げてきただけでなく、金相場にも資金が浸透して金価格も高騰してきています。そして、金あまりでの投資先は新規上場(IPO)するベンチャー会社だけでは物足りず、どのベンチャー会社を買収するか分からない新規上場したスパック(spac: 特別目的会社)に多くの投資が米国資本市場ではなされている現実があります。

 このspac(スパック)方式ならば、IPOできていないベンチャー会社が素早く巨額な資金調達を可能にして事業の社会実現を早期に図るというメリットがある一方で、実質を伴わないスパックの横行というか、実力のないベンチャー企業も資金調達だけは手っ取り早くできるため、結局は投資が無駄になるリスクも大きくなるという危険性を孕んでいるのです。このspacの人気化は、英国でも起こっており、日本市場においても影響を与えるものと思われます。

 

 

stonline.io

 

(月) 忘れてはいけない米国上院選挙

 米国の大統領選挙でバイデン候補が次期大統領になるという現実的な状況の中で、米国の大きな政治的な課題が次期政権の主要閣僚や主要国の大使の人事に移行してきてはいますが、まだ上院の最後の2席の議席数が決まっていません。

 「共和党vs民主党」が現時点で「50議席vs48議席」なので、2021年1月5日に予定されている米国ジョージア州上院議員2議席の決戦投票の結果が大いに気になるところです。

 次期大統領が民主党候補で、下院の多数を民主党が占めていますので、これで上院で民主党が互角となると、全米がいわゆる民主党色に染まってしまう「ブルーウェーブ」が完成することになります。ただ、投票前調査によりますと共和党有利という予測が出ているので、大方の見方は「上院は共和党が多勢」になるということのようです。

 一方、他の州からこの選挙のためだけにジョージアに引っ越したり、他の州で上院選挙に投票した人がジョージア州に移動して再び上院選挙に投票するという動きがあるという指摘もあって、その投票結果によっては一悶着がありそうな感じもあります。

 「ブルーウェーブ」の完成となると、大増税が高額所得者に起こるのではないかという懸念もあって、世界経済の牽引車的役割の米国経済の行方を市場関係者などを中心に見守っているという状況のように思います。

 

 

(日) 10兆円研究支援ファンドの行方

 2020年10月日に、文部科学省は研究支援のための10兆円ファンドを2021年度に創設するということで概算要求を行いました。(注を参照のこと)

 このファンドは非常にいい考え方と思われますし、是非とも実現させて欲しいと思います。

 一方、「若手」と言われた任期付きの助教や准教授の方々が、再延長されない期限の10年を迎えてくると同時に、多くが年齢的には40歳代に突入する世代となりますので、人事的にはいよいよ正念場を迎える時が来たように思います。

 団塊の世代の教授層が退職を終えて、多くの教授ポストの新規募集の波が起こるかと期待されたのに、多くの大学はポイント制による人事募集の順番性が定着して、結局は毎年漸減して複利的に減少する運営交付金に対応するために、多くの教授ポストが廃止に追い込まれたものと思われます。このため、昇進して安定的な研究ポジションに着くことが非常に困難になってきているように思われます。

 この10兆円ファンドの投資を成功させて、その果実を幅広い大学において多くの研究者のポジション確保に振り向けられるといいように思います。人事も「将来への投資」ですので、我が国における研究者の継続的な確保は「待ったなし」の重要課題だと思われます。

 

注) 2020年10月1日09時38分 朝日新聞デジタル

「大学の研究支援のファンド、政府が創設へ 10兆円規模」の見出し

大学の研究や若手の育成を支援する最大10兆円規模のファンド(基金)を政府が来年度にも創設する。将来的に年数千億円の運用益を目指し、研究費や若手の待遇改善に充てる方針。文部科学省が来年度予算案の概算要求に盛り込んだ。」

「発表では、基金は国が資金を拠出し、運用機関に委託して国内外の債券や株式などに投資する。運用額を段階的に増やし、10兆円規模を目指すという。ただ、運用益が出て配分できるまで数年かかりそうだ。」

 「支援対象は、東京大や京都大といった国際的に高い研究力がある大学。実験機器の購入やデータの管理といった研究インフラの整備、若手研究者の育成、スタートアップ拠点の整備などに使うことを想定する。」

 

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASNB132VBN9YULBJ00M.html%3Fusqp%3Dmq331AQQKAGYAeHVs9HUl4TgJbABIA%253D%253D

 

 

 

(日) 脳オルガノイドの限界ー脳の進化を考える。

今日(2020年11月29日)から2日間に亘って「」第3回遺伝学研究アラブ学会(The 3rd Conference of the Arab Association of Genetic Research (AAGR))が、zoom で始まりました。パネリストで登録されているため、朝9時から夜8時半まで拘束されてしまい、聴きながら多少は仕事するにしても、やはりこのようなヴァーチャル学会はとても大変なことを実感しています。

 ただ、最後のセッションが「神経遺伝学(Neurogenetics)」だったので、シングルセル・ゲノミクスのアポローチが脳オルガノイド研究とともに、ヒトとその他の霊長類およびマウスの比較研究がなされ、脳の進化にいよいよ向かう入り口に立ってきたように思います。

 ただ、有望視されていた人工的に3次元の脳組織らしくものを作成して、脳の発生を考えた進化比較研究の将来展望は明るいかと思いきや、やはり遺伝子発現レベルではかなり異なるようです。

 Professor Arnold Kriegastein at UCSFの講演は、さすがに面白いものでした。

オルガノイドを用いたヒトの脳の発生モデルは、生命の初期段階を忠実にモデル化するという点で十分とは言えず、さらなる改善が必要だという考えを示す論文が掲載される。」

「皮質オルガノイドは、実験室で培養され、3次元構造へ自己組織化する細胞塊のことで、発生段階のヒト大脳皮質の特徴をモデル化したものだ。このようなオルガノイドモデルは、脳発生の研究で利用されることが多くなってきているが、発生段階の脳とオルガノイドモデルに存在する細胞や分子のカタログの比較がほとんど行われていないため、オルガノイドモデルがどの程度正確なのかが明らかでない。今回、Arnold Kriegsteinたちの研究チームは、この論点に取り組むために、発生段階のヒト皮質から採取した約20万個の個別細胞の遺伝子発現プロファイルを記録し、それを参照リストとして用いて、オルガノイド培養物の正確性を測定した。」

「ヒトの脳内細胞とオルガノイド培養物には、いくつかの重要な違いがあった。ヒトの脳内細胞は、発生の過程でそれぞれ異なる軌跡をたどって、広範で多様な細胞サブタイプの集団を形成するが、オルガノイド培養物からは、成熟度の低い細胞種が生じる傾向が見られた。ヒトの脳細胞には領域特異的な特徴があり、皮質内の位置に依存しているが、こうした空間的構成がオルガノイドにはなかった。数多くの種類のオルガノイドを培養できるようになっているため、Kriegsteinたちは、今回の研究とそれによって得られるカタログが、他の研究者がそれぞれの組織培養系の適性を評価する上で役立つことを期待している。」

との解説が2020年1月30日号で行われた、彼の論文は2020年1月29日号のNature Articleで発表されました。

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 なお、教授は現地時間の明日(2020年11月30日)の午前10時半から「COVID-19 Mutation Tracker」と題して新型コロナゲノムからみた特効薬の開発と強毒化突然変異のモニタリングについて講演します。久しぶりのウイルスのゲノム進化に関連する研究発表です。

 昨日まで「生物の科学 遺伝」の2021年1月号「新型コロナウイルス」特集号の総括文原稿の脱稿を行い、今日と明日はこの国際シンポジウムで自身の講演の準備に時間を取られております。

 その2日後には、前NCBI所長のDr. David Lipmanのコーディネーションによる米国カリフォルニア州・米国ワシントンDC・イギリスのケンブリッジ近郊のヒンクストン・中国の北京・サウジアラビアのジッダを繋いだASM (米国微生物学会)の最終セッションでパネルディスカッションで発表の録画撮りがあり、その準備でも忙しくなっています。

 時間との戦いがここのところ引き続いており、体力がどこまで持つかの耐久レース化してきました。これは健康によくないと分かっていても、切羽詰まるとこうなってしまうのは仕方ないのでしょうか。また、報告をいたします。

 

 

(木)ニュービジネス協議会の基調講演「ウィズコロナ時代のニュービジネス」

2020年11月26日の本日、静岡県三島市三島大社で開催されたニュービジネス協議会で、基調講演をさせていただきました。本来は日本へ帰国しての講演を予定していたのですが、最近のコロナ禍の拡大で日本帰国が果たせず、zoomでの遠隔講演となりました。

 講演では、基礎研究から始めた様々な活動が、どうニュービジネスのシーズに成りうるかを体験的にご紹介するとともに、売り手と買い手の「関係性」を確立して「世界観」を売るビジネスをすることの重要さを訴えました。

 その上で、静岡県主導でまさに同日同時刻で開所式が静岡市で行われていた「MaOI機構(マリンオープンイノベーション機構)」のヴィジョンとスコープを紹介するとともに、教授の重要な活動中心の一つとなっている「富士箱根伊豆国際学会」(FHIX)の世界観をご紹介し、いかにニュービジネス・チャンスに溢れた活動かをアピールいたしました。

 この国際学会は、非常に興味深い特徴と活動をもっていますので、このブログでいろいろとご紹介していきましょう。

 

 

(木) MaOI機構(マリンオープンイノベーション機構)の研究所の開所式

静岡県の主導で昨年一般財団法人として設立された「MaOI機構(マリンオープンイノベーション機構)」の研究所(MaOI-PARC)の開所式が、静岡市清水区でありました。

 川勝・静岡県知事のオープニングの挨拶で祝賀式典が開催されました。教授は研究所長として参列すべきところ、コロナ禍で日本帰国が果たせず、また三島市での「ニュービジネス協議会」の基調講演を1年前から引き受けていたため、事務局の尽力で事前の録画での講演となりました。

 静岡県は非常に力を入れた研究機構で、当初から米国かリフィルニア州のブルーテック・クラスターとも連携して国際的に活動を始めています。関係各位のご協力をいただいて、乞うご期待の活動に是非もっていきたいと思います。

(火) アストラゼネカもワクチン開発に成功!(従来方式で格安大量)

[ロンドン 23日 ロイター] -「 英製薬大手アストラゼネカは23日、英オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)の中間結果を発表し、深刻な副作用を起こさず感染を予防できる有効率が約90%だと明らかにした。」


また、年内に最大2億回分のワクチンを製造すると表明。競合の米ファイザーは年内に5000万回分の製造を目指すとしており、アストラゼネカの目標はその4倍に相当する。来年3月末までには世界で7億回分のワクチン供給を目指す。

英国とブラジルで実施している後期治験データによると、まず半分の量を投与し、少なくとも1カ月の間隔を置いて全量投与した場合の有効率が90%だった。


アストラゼネカのワクチンは、従来型のウイルスベクターワクチンで、ヒトに対して病原性のない、または弱毒性のウイルスベクター(運び手)に抗原たんぱく質の遺伝子を組み込んだ組み換えウイルスを投与するもの。これに対し、ファイザーやモデルナのワクチンにはメッセンジャーRNA(mRNA)という新技術が用いられている。


ワクチン1本分の価格はわずか数ドル程度と、ファイザーやモデルナのワクチンと比べて格安。さらに2─8度での管理が可能で、保存や輸送が容易だという。ファイザーのワクチンはマイナス70度以下の超低温で保存する必要がある。モデルナのワクチンは2─8度で30日間保存できる。」


「英国のハンコック保健相は「ワクチンの配布プログラムの大部分が1月、2月、3月に行われる予定で、イースター(復活祭)以降、状況が正常に戻り始めるよう願っている」と述べた。


引用:


https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-astrazeneca-idJPKBN2830RO?utm_source=rcom&utm_medium=jpranking