啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(木) 恒久的に変貌する国際会議のあり方: Zoom会議の一般化

 コロナ禍(COVID-19)の状況の下、予定されていた国際会議や国際シンポジウムが、次々とキャンセルされ、zoomを多用してテレ会議(ビデオ会議:Video Conference)に代わって行っています。

 教授が招待されたり出席予定だった国際会議や国際シンポジウムだけで、この夏までの予定も含めると、もう10を軽く超えてしまいます。さらに、サウジアラビアや日本での国内会議も含めると、すぐには数えられないくらいの数の会議などのがzoom会議に代わってしまいました。

 ここで、まだ多くの人達がこのZoomを多用した国際会議や国際シンポジウムが、実際に会って行うそれらの代用様式というように思っています。

しかしながら、もうこのZoom会議の便利さを一旦知った以上、特に国際線などにかかる飛行機代や宿泊費用がほとんど不要になるとともに、それらにかかる時間や手間が大幅に削減されることを知った以上、パラダイム変換が生じて、基本はZoom会議で行って儀式的なものや交流を深めるものが特別に実際にあって行われるというようになるものと思われます。

 また、どこかに会場は設定するものの、海外からの招待者や大物講演者はほとんどZoomによって行われれい、オンラインでの質疑応答に切り替わっていくものと思われます。

 

 これは、学術の世界だけでなくビジネスの世界でも浸透していくはずで(というか、ビジネスの世界の方が先行しているようですが)、航空業界とくに国際線や大型の国際会議場型の施設に大きな影響を与えるものと考えられます。

 この「Zoom(国際)会議」への転換の恒常化(恒久化)は、おそらく凄い勢いで起こってくるはずなので、我々の意識もそれに合わせてついていく必要があるものと思われます。

 

 

(日)サウジアラビアにおける感染者数が5万人を超えるも、死亡者数は非常に少ない!

 「本日の2020年5月17日現在,サウジ保健省の発表した感染者は計54,752名 (内25,722名は回復,死者312名)」と、日本大使館総領事館から報告がありました。ほぼ2日おきくらいに連絡がきて、非常に助かっています。
 
 なお、「新規感染者2,736名の内60%が外国人,40%がサウジ人,78%が男性,22%が女性」とのことですので、まだ外国人の感染者数が半分以上をしています。
 
「2020年5月16日付のサウジ国営通信は,同日の保健省記者会見における,当地の新型コロナウイルス感染症に係る死亡率及び重傷患者数に関するラビーア保健相の発言につき報じています。
(1)サウジアラビアにおける新型コロナウイルス感染症に係る死亡率及び重傷患者数は,同国の医療体制により,世界で最も低いものの一つとなっている。
(2)感染者数の増大は,検査数及び研究所のキャパシティが感染拡大開始時の3倍に増加した結果であり,またサウジ全土における拡大検査によるもの。
(3)可能な限り多くの感染者を発見し,手遅れとなる前に彼らを救うため,検査数は一層増加する予定である。」
 確かに、医療体制は非常によく整備されているので、その点は大丈夫のようです。重症者の数がそんなに多くないのも医療体制の保持には役に立っているものと思われます。」
 
 

(土)外出禁止令

 日本は、36県において非常事態宣言が解除されて、人々が日常に少しづつ戻りつつあるようです。それでも、「3蜜」を避けるため、ソーシャル・ディスタンス(社会(的)距離)を置くことが要請されるため、夜の居酒屋などはまだお客さんが戻らないのではないかと思っていたら、この土曜日は結構夜の街に人が出ていたようです。

 もちろん、地域にも寄るでしょうが、多くの人達の気持ちは同じで、コロナは怖いけど自宅でずっと閉じこもっていることにも疲れて、とにかく一旦街に飛び出したいと言うことでしょう。我慢していた買い物も早くしたいと言う気持ちもよく分かる気がします。

 ただ、日本の場合、非常事態宣言下でも「自粛」要請ということであったので、自主的な判断に任されていたのでした。特にゴールデンウィークの最中などは、日本の国民の多くの人達がきちんと言うことを聞いて、いくつかの目立った例外を除けば自発的に自宅で多くの時間を過ごしたのでした。これは、さすがに自分自身や家族のためと言うこともありますが、やはり国民の民度の高さを示すもので、世界に誇れるものだと思います。

 こちらサウジアラビアでも外出禁止令が出ていて、地域によって制限される時間帯も少し異なりますが、市中で違反すると30万円ほどの罰金が課せられます。また、外国人の場合は、これに違反すると再入国が認められなくなりますので、大変です。

 大学のキャンパス内も、概ねこの外出禁止令の時間に合わせて外出禁止になっており、罰金も同額が科せられることになっています。(必要最低限のラボワークは、特別なタッグを持って許可された人達は研究室での仕事は許されますが、外出禁止令の時間は守らねばなりません。)

 いずれにしても、早くこのパンデミックが終息してくれないと、身動きが全く取れない状況が続いてしまいます。

 

(金) サックスの聴き比べ

 テノールサックスの響きは、どういうジャンルの楽曲かにもよるでしょうが、一般にはどこか哀愁があって、特に夜聴くと心に染みるものがあります。

 ジャズやブルースなどもいいんでしょうが、いわゆる歌謡曲や演歌もサックスで聴くと、妙に叙情を楽しむことができます。

  以下は、ユーチューブで見つけた同曲の異なる奏者によるサックスの演奏です。

1-a)  「空港 / 情人的關懷 / くぅこぅ -saxruby」

https://youtu.be/wnRyoBBSmqM 

1-b) 「空港/岡田卓也(サックス演奏)」

https://youtu.be/vqUeNwLMuxg

 

2-a) 「北の漁場-Saxruby」

https://youtu.be/jvgtQ7UJbGg

2-b) 「北の漁場/岡田卓也(サックス演奏)」

https://youtu.be/l_IJhLLwzic

 

3-a) 「サム・テイラー港町ブルース」(クラウン)」

https://youtu.be/ID32qlzzPlQ

3-b) 「港町ブルース岡田卓也 (サックス演奏)」

https://youtu.be/OhkTVXvG-as

 

今日のところは、一応ここまでで。

 

 

 

(木)ABC シンポジウム(ABC Symposium)

 「ABC シンポジウム」は、日中韓で順送りで毎年続けている「Asian Bioinformatics Conference」のことです。元来は、日中韓バイオインフォマティクス・トレーニングコースとして長年やってきたものです。今年は、韓国の当番でこの8月に韓国で開催予定でした。

 残念なことに、COVID-19の影響を受けて、この開催は絶望的になりました。しかし、本日行われたZoomによる幹事会で、Zoomによるヴァーチャルな(つまり遠隔で行う)ことが提案され、その準備に入ろうという議論がなされました。

 おそらく、これは他の国際会議でも同じような流れになっており、旅費や宿泊費などの経費が極端に抑えられるだけでなく、時間的な手間もかなり軽減されるので、今後はこの方式が定着していく可能性が非常に高いと思われます。

 

(水) PMP (Performance Management Program)

PMPとは、Performance Management Program のことです。

プロ野球の選手の契約のように、毎年この時期の研究者であれ事務職であれ、上司との面接を必ず行なって人事評価を行こなわねばなりません。いわゆるパーマネント・ポジションと言われる終身雇用になっていようが、契約期間で雇用されていようが、関係なくPMPは行われます。

(火)サウジアラビアの新型コロナ(COVID-19)感染者数が4万人を突破しました。

 本日2020年5月11日現在,サウジ保健省の発表した感染者は計41,014名(内12,737名は回復,死者255名)となっています。新たに確認された感染者は1,966名です。新規感染者の内62%が外国人,38%がサウジ人,78%が男性,22%が女性。

 早く治って欲しいのですが、まだ感染拡大が収まらない状況のようです。

サウジの教授の大学KAUSTでも、R3T (Rapid Research Response Taskforce for COVID-19) が結成されて、対策研究を頑張っているところです。

 

https://www.kaust.edu.sa/en/r3t-covid-19

 

 

(日)サウジアラビアの消費税が一挙に15%へ

 Arab News他の中等の新聞各紙がトップニュースとして、「サウジアラビア付加価値税(VAT)(消費税のようなもの)を5%から2020年7月から一挙に15%に引き上げる」ことを報じています。

 税金のない国として知られていたサウジアラビアも、5%の消費税が導入された時にはびっくりしましたが、これまた一挙に15%の引き上げにもびっくりした次第です。

 一般的な買い物でも15%はかなりの影響が出てくると思いますが、研究上で必要な資材や物品などの購入にはもろに影響出てくるものと思われます。1000万円の器具でも消費税で150万円を持っていかれると考えると、かなり実質的な影響が出てくるものと思われます。

(日) せんべろ

「せんべろ」という言葉を聞いて、これは一体何だと思ってすぐに調べたら、「千円でベロベロになるまで飲めるお店」のことでした。

 

Wikipediaによれば、以下のように解説されている。

「一般には作家の中島らもと編集者の小堀純が、共著の著書『せんべろ探偵が行く』(2003年ISBN 978-4163595009)で使い始めたのが最初と言われている。また、1980年代頃に中島らもの身内言葉から全国区に広まったとの記述もある。」

 「 1000円でべろべろに酔えるという価格帯の酒場の俗称ではあるが、実際には1000円でちょっと気の利いたおつまみとお酒2~3杯飲めるという意味合いが強く、発祥と言われている『せんべろ探偵が行く』(2003年ISBN 978-4163595009)でも、そういった酒場が多く紹介されている。」

「低価格でやおつまみ等を提供するという性質上、該当する店には居酒屋立ち飲み角打ちなどが該当する。」

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/せんべろ

 

 2003年が初出の言葉なので、17年前のことになります。日本の「バブル景気」は、一般には1986年12月から1991年2月までと言われています。したがって、日本のバブル経済が崩壊して、日本は「失われた10年」と言われ、それが「失われた20年」となり、今や「失われた30年」となってしまいました。

 ちょうど「せんべろ」は、「失われた10年」の最後に出てきた言葉で、それがほぼ20年後の現在も使われていることになります。まさに、バブル景気の時には「銀座ではビール1本が1万円」とさえ言われたことを考えれば、いわゆる「デフレ」の日本における長期化がいかに深刻に続いているか分かるような気がします。

 思えば、バブル景気を知らないで生まれた世代が今では30歳になっており、物心ついたのついたのが0歳の頃の世代が今は40歳となっているので、日本における「バブル景気」は、もう歴史的遺産ということになっているのでしょう。

 バブル景気の時のようなインフレ時代がいいのか、今のようなデフレ時代がいいのかは、価値観や社会観にもよるので一概には言えないことは当然です。しかし、国民の平均年収が、先進国や主要な発展途上国に比べてると、この30年間にわたって日本だけが減っていっている現実をみれば、もうこれ以上の日本の「貧困化」は止めなければいけないように思います。

 「せんべろ」で楽しみながら、一方でこの深刻な「貧困化」の状況をどう打破して行くは世代を超えての火急の課題と認識される必要があるように思います。

 

 

 

 

 

(金) 乗客の入国時で全員にPCR検査•抗体/抗原検査などを行って早く飛行機を飛ばそう!

 飛行機会社は、この新型コロナ(COVID-19)の状況のもと、それぞれの国への入国制限が厳しくて、大幅な減便かあるいは完全な運行停止になっています。

 日本では、感染レベルが3以上の外国からの入国を厳しくてしていますし、この入国規制措置のため、ほとんどの航空会社が運行を停止しています。この状況の下では、航空会社の経営難や経営破綻が予想され、大きな航空会社の国有化も検討されているようです。

 このため、入国時の全員に感染検査を(有料でもいいので)行って陽性者を特定して、そういう人達にはホテル隔離などを行うが、陰性の人達は直ちに入国されることなどが決まれば、航空会社は運用を再開でき、多くの飛行機の運用の再開を待ち望んでいる人々には大変嬉しがるものと思われます。

 幸いにして、検査キットも、PCRにせよ抗体・抗原にしろ迅速な検査キットが出てきています。いよいよ空港でもそういう迅速な検査を導入する段階が近づいてきているように思われます。

 また、飛行機内での感染防止のため、乗客定員を6割ほどに削減するといった方策も必要かもしれません。

(木) 新型コロナ(SARS-CoV-2)の最初の感染者探し

 2020年5月6日(水)付ロイター通信の記事によりますと、「新型コロナ、人への感染は19年終盤から 英大学が遺伝子分析」という見出しで、次の記事が載っています。

「[ロンドン 6日 ロイター] - 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の研究チームは6日、新型コロナウイルスの人への感染が2019年終盤に始まり、急速なペースで世界各地に広がったことを示すデータを発表した。

研究チームは世界各地の7500人以上の新型コロナ感染者から検出されたウイルスの遺伝子を分析。約200の反復突然変異が確認され、研究者はウイルスが人への感染とともに進化している可能性があるとの見方を示した。」

 この記事によりますと、UCLのグループ外国人7500人以上の新型コロナ感染者から検出されたウイルスの遺伝子の分析」とありますが、現時点で公開されているかウイルス単離株の全ゲノム配列半、16,000本を超えています。もうUCLの研究グループの発表の3倍以上のウイルスゲノムデータが利用可能になっており、その数はすごい勢いでさらに増えています。

 このウイルスのゲノムや遺伝子の配列データ比較によって分子系統樹を構築することは、現在ではかなり簡単にできますが、どのくらい前に比較されたとウイルスの共通祖先が出現したかというのは、UCLの研究グループ外国人やっているように、比較的容易にできます。

 しかしながら、どの感染者が最初だったかの推定は非常に難しいものです。というのも、その最初に感染したらしいときにウイルスを単離してゲノム情報が得られていれば話は別ですが、そうで無ければウイルスゲノムも突然変異で変化し続けていますので、その突然変異の蓄積した後しか分子系統樹から分からないからです。

 

(水) サウジアラビアの新型コロナによる死亡率の極端な低さ

 サウジアラビアの新型コロナによる感染者数は、外国人労働者の集団にコミュニティ・テストとして全員の感染検査を行なっているため、感染者数はすごい勢いで増加しています。一方、死亡率は欧米などと比較すると極端に低いことが分かってきました。

 い欧米での死亡率は約7%なのに対し、サウジアラビアでの死亡率は0.i10分の1なのです。

 この原因のついては、諸説いろいろ議論されてはいるものの、よく分かっていません。

しかしながら、教授は「この国の若さ」に関係しているのでないかともっています。

 サウジアラビアの国民の平均年齢は、確か27歳だったと記憶しています。また、外国人労働者の人々の年齢も若いでしょうか。こじy

(火)「選ばれし者へ」: トム・ハンクス氏のライト州立大学(オハイオ州)の卒業式スピーチ

 俳優のトム・ハンクス氏が米国・オハイオ州にあるライト州立大学(Wright State University)のバーチャル卒業式で、遠隔で行ったスピーチ(祝辞講演)が秀逸との評判が立っていると言います。

 過去でもっとも有名なものは、スタンフォード大学の卒業式におけるスティーブ・ジョブ氏の講演ですが、バロン大学卒業式での豊田章雄社長のスピーチも素晴らしかったです。

 それらに較べると感動を呼ぶ力はもう一つと思われますが、「新型コロナのパンデミック(COVID-19)」の「前」と「後」に歴史的に分けられることになることを前提に、卒業する学生達に「後」の「good American」としての責任と貢献への期待を述べてた内容は、まさに今しか言えないという意味で非常に秀逸であったと思います。

 まさに、あたかも「戦前」と「戦後」という言葉の意味が、今後はパンデミックの「前」と「後」を意味するようになっていくほどに今回のパンデミックが与えた影響は重要なものであって、長く歴史に「COVID-19 2020」として残っていくことを、若い当事者としての卒業生に伝えたかったものと思います。

 

Tom Hanks - Wright State Graduation 2020

 

https://youtu.be/pURTVzuhFDs