啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

KAUST修士課程卒業生の就職第一号

教授が勤めるアブドラ国王科学技術大学(KAUST: King Abdullah University of Science and Technology)では、教授は8人の大学院生を持っています。KAUSTは大学院大学なので学部生はおらず、5人の博士課程の院生と3人の修士課程の院生です。
教授は、特にサウジ女性の院生を応援している観点から、できるだけサウジ女性の院生をとろうとしています。何と、8人中6人の院生が女性であり、そのうち5人がサウジ女性なのです。
教授がKAUSTに赴任してきた当時、サウジ女性の院生をとると、日本語で言えば「ご愁傷様!」と言われたものです。と言うのも、サウジ女性の結婚は一般に早く、22、23歳で既婚で子供が2人ということはあまり珍しくありません。このため、サウジ独身男性と比べれば、研究に時間を裂くのに当然の如くより多くの制限があったりすると言われていたのでした。また、使用人文化に慣れているため、自分で事を遂行しようという意欲に欠ける傾向があるとも言われていることから、なかなか実験などを教えても身につき方が遅いとかとも言われていました。そういう理由から、若い教員はサウジ女性の院生を敬遠する傾向にあるという話でした。
しかし、実際にサウジ女性の院生をとってみると、子供がいても基本的には皆頑張り屋さんで、よほど子供が病気などにならない限りは、休みを取ったりしないことが分かりました。また、確かに気位というかプライドを高く持っている人達が多いですが、自分で学ぼうとする意欲も強く、とても優秀であることが分かったのです。