啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「7つの習慣」と「スピード・オブ・トラスト(信頼のスピード:Speed of Trust)」

 スティーブン・R・コヴィー博士(Dr. Stephen R. Covey)と言えば、経営哲学のベストセラーで名をはせた人で、京セラの稲盛和夫氏にも多大な影響を与えたと言われる人物です。
  分野が異なっても、どうしても知っておかねばならない彼の著書が最低2冊あると言われます。1冊目は「7つの習慣~成功には原則があった~ (The 7 Habits of Highly Effective People)」(日本では1996年初版本発刊ですが、原著の初版発刊は1989年)で、「44ヶ国語に翻訳、全世界2,000万部、日本でも累計130万部を売り上げベストセラーとなった」(Wikipediaより引用)と言われています。驚異的に売れた経営哲学書です。


表紙の写真は、下記から引用。
http://www.amazon.co.jp/dp/4906638015


  2冊目は、「「スピード・オブ・トラスト(信頼のスピード:Speed of Trust)」です。日本では2008年の発刊で、原著は2006年の発刊です。

表紙の写真は、下記から引用。
http://www.7netshopping.jp/image_popup.jsp?images=http://img.7netshopping.jp/bks/images/b2/1102664032.jpg|http://img.7netshopping.jp/bks/images/b2/1102664032.jpg

  これらの本は、いささか共に少し古いですが、言っているポイントは今も至言のごとく輝いています。

  「7つの習慣」のまとめは、「JMatsuzaki (http://jmatsuzaki.com/archives/3346)」というブログが秀逸です。簡単に言えば、そのブログを引用して、
7つの習慣のベースにはインサイド・アウト(内から外へ)という考え方があります。あなたを真の成功と幸福に導くものは優れた人格を持つことであり、自分自身の内面(インサイド)から外(アウト)に働きかけることであるとする考え方です」という「インサイド・アウト(内から外へ): Inside out」という考え方が土台となります。

その上で、以下の7つの習慣が示されています。
「?.私的成功
■第一の習慣:主体性を発揮する
■第二の習慣:目的を持って始める
■第三の習慣:重要事項を優先する

?.公的成功
■第四の習慣:Win-Winを考える
■第五の習慣:理解してから理解される
■第六の習慣:相乗効果を発揮する

?.再新再生
■第七の習慣:刃を砥ぐ」


しかも、「人格は繰り返す行動の総計である。それゆえに優秀さは単発的な行動にあらず、習慣である。」というアリストテレスの格言から、この本のタイトルの7つの「習慣」がきていると言われます。

また、「スピード・オフ・トラスト」という本の趣旨は、「「信頼」こそがスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する」という考え方です。確かに、部下を信用できたら効率が上がります。また、上司を信用できたら短期間で大きな成果が期待されます。なるほど!「信頼のスピード」かあ!


この二つの本の趣旨から、教授が現在いろいろと体験しているサウジアラビアにおける「信頼を構築してから物事(事業も含む)が始まる」という原則に基づいた行動指針である「期待しないものを期待せよ!(Expect the unexpected!)」は、まさにスティーブン・R・コヴィー博士の経営哲学の教えそのものであった訳です。