啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

在宅介護の前提の崩壊

 家族が核家族化したなれの果ての現在、「家族の崩壊」は時間とともに訪れる必然としか考えられない我が国では、在宅介護を基盤におく前提は最初から崩壊しています。これは、地域における人のつながりの消失と連動しています。
 地域として子供を育て、地域としてお年寄りを見守り看取っていくシステムが崩壊しているのです。基本的には、地方では地域を維持できる人口がなく、特に活動の中核をなす若手世代の人がおらず、都会や新興住宅地では地域そのものが成立していないのです。

 そういうなかで在宅介護を前提とし、できるだけ入院させない方針をとらざるをえない現在の状況の破綻は、国家的な財政破綻自治体破産の前に、多くの人達に精神的な疲弊と絶望に近い精神的な苦痛を与える国民レベルの精神的な衰退や荒廃が起こる可能性が高いと思われます。