啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(火)新型コロナ対策にアイデア募集(COVID-19 Innovation Challenge)という考え方

 教授が主務とするサウジアラビアの大学は、大学キャンパスはロックダウン、研究室は閉鎖という状況で、大学にいる人々は基本的に全員自宅にいなければならないことになっています。さらに夜間外出禁止令が出ていて、午後3時から翌朝の午前6時までは外出できません。

 ただ、スーパーマーケットと病院などの医療機関には、外出禁止令の時間内でも自由に行くことができます。スーパーマーケットは、一度に20名しか入れなくしているので、午前6時から翌日の深夜の午前2時にまでオープンしています。

 そういう中で、「大学の先生や科学者は、感染を恐れて家に引っ込んでいるだけでいいのか?」というアンチテーゼが生まれてきました。(実をいうと、サウジ政府の要請に応じて一部は例外的に仕事をしています。)これに、大学が適切に反応して、小学生から特別栄誉教授まで、この新型コロナ対策に役立つ新規のアイデアを大募集することになりました。

 題して「COVID-19 Innovation Challenge!」。このアイデアでは、1年程度を目処に研究開発することもできます。KAUST 以外の人達と共同で応募することも可能です。締め切りが間近なのが残念ですが、このパンデミックに科学や創意工夫で立ち向かうという精神も大事だと思われます。

 「人にどう感染させないか」というのは、まず「自分が感染しない」ことが前提です。その前提の下に、英知を絞ってパンデミックに立ち向かうというのは、特効薬やワクチン開発もそうですが、制限された環境や状況の中で社会的役割分担をどうきっちり果たすかというのは、今みんなの胸元に突きつけらられた大きなテーマのように思います。