啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「特任」の果て

 最近、本当に研究職がなくて困っている人達が、周りにたくさん出てきているように思います。
 プロジェクト雇用の「特任」が切れて、次を探そうとしても、その先がないのです。もちろん、パーマネント・ポジションやテニアトラックのポジションではありません。短期の研究員ポストさえ、それを得るのが難しい状況が発生してきています。
 特に、30歳代の後半や40歳台の人達に顕著です。
たしかに、特任の研究員やポスドクを雇用しようとする立場からすれば、できるだけ若くて優秀な人材を求めようとします。変な言い方ですが、「コストパフォーマンス」がいいからです。
 一方、30歳台の後半を越えてくると、方向転換も難しく、研究分野を変えることはもちろん、企業の総合職や一般職への中途採用も困難となっています。(一流企業の研究所採用の競争率は、数十倍から数百倍となっているようで、高嶺の花の超難関ポストのようです。) 
 一般の新卒の就職率や若い人達の失業率の我が国の高さは、スペインほどではないにしても、深刻化しています。
 東北関連で多少の動きがあるものの、これも一段落すれば状況はより深刻になるでしょう。 
 教授も、少しでも就職先を探している人達のお役に立つよう努力していますが、たまたま出てきたポストを知り合い同士が競り合って取り合わざる状況も出てきています。
 国公立の大学や研究所の給与の減額の先には、いよいよ「なま首」のリストラが待っていることは確実なので、定年前退職勧奨がもうすぐ出てくるでしょう。

 もうこうなってくると、個人の問題ではなく、社会の問題となります。それでも、どこまで「自分を信じて」やればいいのか?とても難しい選択の時代に、本当になってきました。