「デルタ」とは、株式市場において「原資産である株式の値動きによってオプション価格がどの程度変動するかを示す推計値」のことで、この推定値を使って、先日話題になったソフトバンクのコールオプション取引を行って、損するリスクを出来るだけ避けよう(ヘッジ)することのようです。
「オプション取引」とは、先日のブログ記事にも書きましたがように、ある株式の将来の特定された時期の価格を予想してその想定価格をその時期になったときにその予定価格でその株式を買う(コール)ことができる予約権を購入して取引を行うことです。
特定された時期に予定価格より株価が上昇しておれば、予定価格との差額が「利益」となり、それも予約権代金という株価よりずっと安い原資で利益を得ることができるので、「リバレッジ」(原資に対する利益の割合を大いに増やせること)を利かせることができるという訳です。一方、その時の株価が予定価格を下回った場合は、株価を購入する権利を放棄することができますが、すでに支払った予約権代金は全て失ってしまうことになります。
このような「オプション取引」の手数料が無料でできるようになったニューヨーク株式市場で、かなり多くの個人がこの取引をいわゆるハイテク株に投入したため、ハイテク株に非常に粗い株価の値動き(ボラティリティ)が生じていると指摘されています。
そのオプション取引に投入された総額は5000億ドルと言われ、ソフトバンクグループの場合は40億ドルであったので、その規模の大きさが分かると思います。
これを解説したロイターの本日発の記事によりますと、この「オプション取引」は株価が上がるか下がるかのどちらかに賭けるような博打性が高く、株価が暴落した場合には多くの個人が莫大な損失を被ることが危険視されているとのことです。また、ニューヨーク市場の健全な発展の阻害要因になることも考えられ、オプション取引の手数料無料という状況を改善させるため、その取引を対象とした新たな税金の導入も考えられているとのことです。
参考記事: