啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

 年間評価と査定インタビュー

 サウジアラビアの大学のKAUST (アブドラ国王科学技術大学)では、Faculty Memberと言われる教員全員は、その年の全ての活動を報告書として提出し、プロ野球選手のように、それに基づいて翌年の給料の査定を受けます。給料は契約で決まっているので、その査定は下がることはないのですが、評価査定によって昇給が大きく異なってきます。
  基本給の昇給に直結するので、それに基づいて計算される手当全てに加算されるので、かなりの給与アップに繋がります。また、毎年、基本昇給率に従って上がるのに昇給率として加算されるので、いわば複利効果で年が経つごとに、その昇給率のアップのメリットが出てくるのです。
 残念ながら、教授はDistinguished Professor (特別栄誉教授)職をいただいているので、この法則に当てはまらず、若干異なる方式となります。
  それでも、この年次報告書は提出しなければなりません。これが、論文リストだけならいいのですが、実に研究教育や大学内の委員や学位審査委員など、ありとあらゆる項目を記載しなければなりません。この締め切りは、2月でとっくに過ぎていたのですが、本日は年次報告書のウェブでの入力サイトが消滅する最終日とあって、もう休日とかいう余裕はなく、研究室に朝から出勤してこの報告書の提出を終えました。これも、実は、事前に必要な記録を全て秘書の人が集めてくれていたので、文章を将来プランまで書かねばなりませんでしたが、なんとか午後5時前に終えれることができました。スッキリ!
 やはり、日本の大学の評価とは根本的に異なる厳しさが、KAUSTはアメリカ的な大学だけに、海外のこのような大学にはあるように思います。