啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「リターン・リバーサル」現象

東京の株式証券市場が7年ぶりの高値をつけ、今週は日経平均で一時20,000円台をつけたとのニュースがありました。一方で、リターン・リバーサル効果のため、今後はこれ以上は上がらないだろうとの見通しの報道もありました。
一方、この3月期の企業の決算が、最近の円安効果もあって、最高益を叩き出す会社が続出するのではないかとの予測も多く出ています。このため、日経平均はまだまだ伸びるというものです。このため、株式に投資が向かい、その分日本の国債の引き受け手が少なくなり、そして国債の利率が高くなっていく訳ですが、国の借金の負担も増えていきます。
また、世界的な危機の兆候が出てくると、安全な通貨として日本円が買われ、円高に向かいます。企業的には(特に輸出企業的には)収益が出にくい状況になり、株式市場が落ち込んでいきます。一方、世界的な危機が和らぐと、米ドルが買われ日本円が売られますので円安に向かい、企業的には(特に輸出企業的には)収益が膨らむ方向に走り、株式市場が上昇する傾向となります。

このあたりの経済状況の理解と把握が非常に難しいところですが、アベノミクスの成否の評価とともに、将来を賢く生き抜くための情報理解として必須なことになってきています。<引用: 証券投資用語辞典><引用元:http://secwords.com/リターン・リバーサル効果.html>
リターン・リバーサル効果とは
「リターン・リバーサル効果(return reversal effect)とは、ある期間に高い投資収益率(リターン)をあげた株式は、それに続く期間には低い投資収益率しかあげられない、逆にある期間に低い投資収益率しかあげられなかった株式は、それに続く期間には高い投資収益率があげられるという現象のこと。ウィナー・ルーザー効果(winner loser effect)ともいう。
理論的には効率的市場仮説に対する反証の1つとして、アノマリーと結び付けられて説明される。実務上は「逆張り戦略」として利用される。この理論を用いて投資することをリターン・リバーサル手法と呼ぶことがある。
実験心理学において明らかにされた行動様式の1つに、人間は予期されていない出来事や劇的な出来事に対して過剰に反応する傾向にあるというものがある。この傾向により、大幅な上昇・下落の際には投資家は情報に過剰反応して、株価は妥当な価値から乖離して行き過ぎた水準となる。
その後しばらくすると、冷静になった投資家の評価により反発する動きが起こり、売られすぎ、買われすぎによる妥当な価格との乖離が修正される。この反転(reversal)現象を平均回帰(ミーン・リバージョン、mean reversion)という。その結果としてリターンの循環的変動が発生するのがリターン・リパーサル効果である。
このようなアノマリーを利用してその規則性から高いリターンを得ようとする投資行動が生じる。これが「逆張り」である。

以下のような投資の方法がある。
1. 一定期間を通して最も値上がりした銘柄群を売り、最も値下がりした銘柄群を買う
2. PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった株価水準指標を使い、一定期間ごとにこれらの指標が高い(割高)銘柄群を売り、低い(割安)銘柄群を買う

2 の方法は、アノマリーの低位株効果に含めることもできるため、1 の方法が狭義の「逆張り」とされる。」

注) 世間でよく言う「逆張り」という意味も、よくわかります。結局のところ、簡単に言えば過剰に下がり過ぎたと思われる銘柄を拾って、正当な価格に戻るのを待って売り抜くという投資手法のことですね。ミセス・ワタナベの得意技と言われています。