啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

エコノミックシティ(Economic City)

正式には、「アブドラ国王エコノミック・シティ」といいます。KAUST(アブドラ国王科学技術大学)に隣接して、KAUSTの人口規模にして2倍の広大な新しい都市がどんどん建設されています。
 KAUSTのキャンパスの広さが、東京の山手線内の面積の半分ですから、エコノミック・シティの敷地は、山手線内の面積に相当するか、それを超えるものと思われます。
 2ヶ月ほど前に、エコノミック・シティの中に新しいホテルが完成しました。第1号のホテルと思います。「ベイラサン(Bay La Sun)ホテル(Hotel)」と言う名のホテルです。この名前は、サウジアラビアの数少ない花の名前を英語風に直したものと言われています。
 KAUSTの中で、教授の所属するセンターのリトリート(Retreat: 合宿)が、このホテルで1泊で行われましたが、ロビーからしてその空間の大きさや豪華さには、目を見張るものがあります。教授も、世界各地の巨大ホテルや一流ホテルも見てきましたが、思わず歓声をあげてしまいました。
 また、夕食も、紅海のウオーターフロントのプールサイドでのバーベキューでしたが、また、このプールの巨大さと豪華さにはアメリカの超一流ホテルも遙かに及びません。しかも、広々としたそして青々とした芝と、立派な椰子の木々にも驚かされます。
 何度もこのブログでも述べておりますが、サウジアラビアという砂漠の国にとって、「水」と「樹木・草木」は富の象徴です。
 この固唾をのむほどのプールが、全部3つもあると聞いて、もう絶句でした。
 暑くない今のサウジラビアのジェッダは、特に夜のバーベキューなどは、そよ風も吹いて、野外で星空を見上げながら、実にカリフォルニアにでもいるような気分になります。
 KAUST(アブドラ国王科学技術大学)が学術研究教育の特区ならば、がおそらく、このエコノミック・シティはこの国の経済特区なのでしょう。女性も、アバヤと言われる黒いドレスも着ることなく、車の運転も問題もなくできてくるようで、KAUSTと全く同じ状況ができあがっていくと思われます。
 以前述べました世界最大の港も、どんどん工事が進んでおり、5年もすると今とは全く異なる新しい近代都市が忽然と出現してくるものと予想されています。
 KAUSTとは隣接していると言いましたが、既に直結道路も完成しており、その道路に沿って建ち並ぶオレンジ色の長大な街灯の並びは、教授の家の庭から夜に鮮やかに長い線のようにみえるハーバーライトの正体でありました。この直結道路は、KAUST側の安全管理面からの要請により封鎖されており、この封鎖がとかれるとわずか5分でこの二つの巨大な近代都市が結ばれることになります。