啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

機能未知タンパク質の立体構造解明の意味

 「機能が分かれば構造が分かる」と「構造が分かれば機能が分かる」のパラダイム対決は、もちろん「対象とするタンパク質による」というのが優等生的回答でしょうが、はやり「構造が分かれば機能が分かる」と考えている人は少ないでしょう。
 となると、機能未知タンパク質の立体構造が解明出来たとしても、機能は分からないままという状況は容易に想像されます。たしかに、機能未知タンパク質の立体構造を解明しても、いい雑誌になかなか採択されない状況があるとのこと。そうでしょう、研究の背景となるストリーがないのだから、ディスカッションしようにもしようがないことになります。また、ときとして、すでに知られているタイプの立体構造が出ようものなら、論文にすることすら、その新規性の欠如から困難となります。