啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

マルコーニとフェルミ

 イタリア人マルコーニが、若干21歳の1895年のとき無線通信装置を創案し、14年後の35歳のときノーベル物理学賞を受賞しました。
 その後、経済や政治に入り込んで、第1次世界大戦の後始末を目指すパリ講和会議にイタリア政府の首席全権大使となりました。
 1937年に63歳の生涯を終える頃は、ムッソリーニ政権のファシズム理想に傾注していたといわれています。
 一方、その翌年の1938年、エリンコ・フェルミがイタリアに生まれ、その後ムッソリーニ独裁政権を嫌ってアメリカへ亡命します。
 後に、原子核の分裂過程の理論的研究でノーベル物理学賞を受賞。その後米国で原子爆弾製造に協力しました。
 シカゴ大学に行くと、今もエンリコ・フェルミ研究所があります。(ちなみに、この研究所は、南部陽一郎先生をはじめ、フェルミを入れると4人のノーベル賞を出しています。)

この対照的な二人の天才を、「20世紀のダ・ヴィンチ」として、樺山紘一氏が日本経済新聞10月16日付け朝刊(日曜版)の「欧人異聞」シリーズの中でで紹介しています。