啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

被災地の現実とご遺体の報道

 被災地の現地に入った人達からの報告によりますと、どの時点の情報かにもよりますが、日本国内で行われているテレビ報道などの映像よりも、実際にはもっと悲惨な情況があり、その悲惨さから受ける衝撃はきわめて大きいようです。
 この原因のひとつが、被災地に散乱していたご遺体に関する報道であるように思います。国内においては、このご遺体の実写映像の放映は、ほとんど避けられているようです。ただ、土葬の情況やご遺体が包まれた状態か棺桶に入ったところなどの場面は、部分的には報道されているようです。しかし、実際のご遺体の散乱情況やその津波による生々しい映像は、いままでにはほとんど全く報道されていません。
 これは、ご遺族の感情や個人情報の問題、そして倫理基準などの問題があるのでしょう。また、それらを報道すると、実際に多くの視聴者の方々から抗議が殺到するという話も間接的に聞いています。被災地の現場の状況を知る上で、この点は非常に難しい問題のように思われます。
 一方、現場に入った、たとえば、警視庁の方々の言及のように、ご遺体がかなり泥土まみれになっており、一体一体きれいに洗ってご遺族にお返ししたいという情況のようです。
 死者・行方不明者を含めて2.5万人を遙かに超えるといった、未曾有の大災害ですから、その現実を直視しながら、被災地との連帯をどう図るかを心がける必要がありそうです。