啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

金庫の山


 「東日本大震災の被災地では、がれきの中から見つかった大量の金庫が、警察署や自治体に続々と寄せられている・・・」という報道が、複数のソースからなされています。
 今週初めの4月18日(月)付けの日本経済新聞(夕刊)は、写真付きでその情況を報道しています。
 宮城県岩沼、名取の両市を管轄する岩沼署では、同日の段階で150個を超える金庫が届けられたとのこと。しかも、保管庫に収納しきれずに、署内の廊下に積み上げられているといいます。
 超デフレの日本では、銀行金利の低さが故に、現金のいわゆる「タンス貯金」はかなり一般的になっている上、この東北地方は特に金庫貯金が結構さかんという情況もあって、お金の入った金庫が数多く発見されているのでしょう。(写真は、日本経済新聞4月18日(月)夕刊から。)
 たしかに、震災直後の日本人の冷静沈着さや略奪暴動類の極端な少なさが、海外メディアの注目を浴び、賞賛を送られました。
 しかし、多くの日本人は「それは当然なこと」として、海外からの賞賛に戸惑いさえも覚えました。
 今回の金庫の山、特に現金の入った金庫を警察や自治体にきちんと届ける日本人の「正義感」、これこそ世界に誇れる日本人のモラルの高さではないでしょうか?
 むろん、「ネコババ」は立派な「横領罪」になります。横領罪は、「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する」という刑事罰を受ける可能性があります。
 しかし、多くの日本人はそのような法律を知っていようがいまいが、行動規範として教育されているのでしょう。これは、世界に堂々と誇りたいですね。