2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
教授は、もう10年近く、UniProtのサイエンティフィック・アドバイザーをしておりますが、PI (Principal Investigator:プロジェクト代表者)がRolf Apweiler博士から、今年中にサンガー研究所のAlex Bateman博士に交代することが発表されました。AlexはEBIに…
UniProtのSAB (Scientific Advisory Board)会議がバーゼル大学の薬学部で開催されました。 教授の他は、以下の方々が出席していました。 David Searls, (Independent Consultant, Philadelphia) Helen Berman (Department of Chemistry, Rutgers University)…
JBS Haldane博士のCost of Selectionの論理から、ヒトゲノムの多くの領域は、中立的な進化をしていると提唱したのが遺伝研が誇る木村資生博士です。 もし偽遺伝子のように機能が全くなければ、もちろん「中立進化」をします。しかし、「中立進化」をする遺伝…
ENCODEプロジェクトの成果は、大野乾博士が名付けた「junkDNA」(ジャンクDNA)があたかも大きく間違えていたような書きぶりもあり、この点はしっかり反論しておきたいと思います。 大野博士の「junkDNA」の概念は、1970年の彼の本に挿絵とともに、転写してRNA…
ENCODEプロジェクトの成果が、複数Nature誌の9月6日号に掲載され、マスコミを一斉にその成果を報道し始めました。 様々な制御領域やncRNAsがゲノムのnon-coding領域にコードされているのは確かですし、マウスでもゲノム全体の約78%でRNA賛成の転写が起こっ…
本来は、9月4日(火)の午前中にチェコ共和国の第2の都市ブルーノにあるメンデル博物館の国際シンポジウムに、今年も招待されました。このところの欧州経済危機で研究費にも打撃を受けているはずのところにもかかわらず、せっかくご招待をいただいたのに、申し…
引き続き九州大学医学部キャンパスで、「HLA進化と疾病」の班会議による発表と、総括班会議が開催されました。 文科省研究助成課が見ておられるライフサイエンス分野における柱に、「がん」・「脳」・「ゲノム」がありますが、以前は「免疫」というのがあっ…
新学術「HLA」の班会議と総括班会議が、九州大学の医学部キャンパスで開催されました。 文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)「先端技術を駆使したHLA多型・進化・疾病に関する統合的研究」(領域略称名:HLA進化と疾病、領域代表者:九…
「HLAは、ウィルス、細菌など病原微生体に対する免疫応答を支配する重要な分子です。HLAには、遺伝的な個人差があります。遺伝的個人差として最もよく知られている赤血球のABO型は、A、B、Oという三つの対立遺伝子から成り立っていますが、HLAは4,000種類に…
夏休み終わりである8月31日には間に合わず、宿題をたくさん積み残して、週末の9月1日・2日で何とか取り戻そうとしている生徒諸君や学生諸君の気分と全く同じになっています。 積み残した宿題に多少うんざりしながら、執筆に頑張っています。なかなか思ったよ…
父母子の全ゲノム解析による各ゲノムの一意的決定は、ちょうど連立方程式で複数の解を同時に出すようなもので、親子3人の完全ゲノムの比較解析から、少なくとも子供の全ゲノムのハプロタイプ(haplotype)を一意的にかつ同時に決めるものです。 これは、2007年…
確かに、SNPのような塩基置換だけを変異の対象として捉えると、どのプラットフォームをシーケンサーとして用いるかにもよりますが、シーケンシングエラー率に非常に注意する必要があります。しかし、Indel(挿入や欠失)・転移/転座や逆位(transversion/trans…
昨日(2012年8月31日(金))に、細野環境大臣が、福島県立医大で新生児を中心に全ゲノム解析をおこなう計画を、9月7日までの概算要求に盛り込むことを発表したと、NHKや新聞各社が報道しました。 毎日新聞などは、現在のシーケンサーの精度では放射能の影響によ…