米国のバイデン新政権では、対中政策として「戦略的忍耐」を用いるというニュースが出ていました。確か、オバマ政権時代にこの政策がとられたように記憶しているのですが、これが何を意味するかを正確に調べてみました。もともとは、米国の対北朝鮮政策に関するものであったようです。
なかなかこの用語を解説している記事が見当たらなかったのですが、次のブログは著者(チョ・ギウォン氏: 国際ニュースチーム長)の意見が色濃く書いてあるものの、非常に分かりやすく「戦略的忍耐」(Strategic Patience)が説明されていたので、この著者の意見とともに重要部分を引用させていただきます。
「戦略的忍耐という言葉は、2009年にヒラリー・クリントン国務長官(当時)が「戦略的忍耐を持って(北朝鮮に)接近中」と述べたことに由来する用語で、これまで「非核化について、まず北朝鮮が行動に出なければ、米国も手を差し伸べない」という意味として解釈されてきた。しかし実質的には、米国が北朝鮮の核問題を放置して「戦略的受動性」政策になったという批判を受けた政策だ。」
「2013年に米国のジョン・ケリー国務長官(当時)は、北朝鮮が行動しなければ補償はないという基調を再確認したことから、米国の政策は「戦略的忍耐」ではなく「戦略的非忍耐」だと表現されたこともある。 このように「戦略的忍耐」政策は多くの批判を受けた政策のため、バイデン政権が政権発足後すぐにこの政策への復帰を明らかにすることは容易ではない。」
「 しかし、バイデン政権の政策の最優先課題は朝鮮半島問題ではないだろう。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策や低迷する経済状況のような、解決すべき国内の課題も山積している。「戦略的忍耐」という言葉を再び使うことはなくても、バイデン政権の北朝鮮核問題への関与と関心は徐々に縮小していく可能性がある。元国務省核非拡散担当次官補代理のマーク・フィッツパトリック氏は最近、「おそらく韓国が、バイデン政権初期に、北朝鮮に関する問題を主導するだろう。なぜなら、文在寅(ムン・ジェイン)政権が焦りを感じているからだ」と述べたと「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は伝えている。バイデン政権が「戦略的忍耐」ではなく「積極的対北朝鮮政策」を進めるよう促すには、当事者である韓国が進展の可能性を示すという、難しい努力をするほかない。来年の東京五輪を機に対話の機会を作ろうという話も、そのような努力の一つと思われれる。」
引用:
[コラム]バイデン政権は「戦略的忍耐」へと回帰するか(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース