啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「飽和攻撃」と「相殺戦略」

飽和攻撃は、「質」でかなわないならば、「質」が効果を失効させるほどの低質ながらも「量」で対抗して攻撃しようという軍事用語です。
Wikipeidiaによると、「飽和攻撃」は以下のように説明されています。
「飽和攻撃(ほうわこうげき)は、攻撃側が攻撃を仕掛ける際に、攻撃目標のもつ防御のための処理能力の限界を超えた時間当たりの量で攻撃すること。」
「飽和攻撃は、防御側の時間当たりまたは1回当たりの防御能力がnとするなら、攻撃側は、nより多い攻撃を一時に加えれば、必ず相手に打撃を与えることができる、ということ。このnの単位は、個数でもよいし、確率でもよい。」
「つまり、防御側が一時に対処できる量(防御能力)を上回る攻撃を一時に加えることによって、防御能力が飽和してしまった状態を作り出しつつ、防御側により抵抗されることなく攻撃を加える、というのが飽和攻撃の目的である。」
「敵より大量の兵士を動員し、人員の量で圧倒する人海戦術は、飽和攻撃の最も古典的なスタイルと言える。」<引用: http://ja.m.wikipedia.org/wiki/飽和攻撃>

また、「相殺戦略(そうさいせんりゃく) "countervailing strategy"とは、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説によると、以下の通りです。
「カーター政権下,1980年度アメリカ国防報告で明らかにされた核抑止戦略。 80年8月の大統領令第 59号において公式採用を公表,同時に核攻撃目標の優先度の比重を経済目標から軍事目標へ移行し,特に指揮管制機能と政治中枢機能の破壊を重視するとともに,核戦争の長期化に備えて非脆弱な戦略予備戦力を維持するとしている。」
(引用: https://kotobank.jp/word/相殺戦略-169373)
何とも分かりにくい説明ですが、「相殺戦略」とは、「飽和攻撃を凌ぐ科学技術の高さで、その「量」の攻撃を相殺させる戦略」のことです。新式の兵器を相手が持っていたとしても、すぐには太刀打ち出来ないように、旧式の兵器を短時間に圧倒的な量を用いて攻撃しようとする飽和攻撃に対して、それでも最新技術の兵器の使用で飽和攻撃を相殺させてしまおうという戦略のことです。例えば、米国の海軍研究所が発明したというレールガンやレーザーガンは、一発一発が非常に安価なため、相殺戦略に適した兵器としてよく紹介されているようです。