啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

(土) たくさんのお菓子のサプライズ・プレゼント

 「玄関のお菓子を差し入れで置いておきましたから」というKAUSTの同僚教授の奥様からのメールに促されて、玄関の扉を開けて覗き込むと、そこには大きなビニール袋が置いてありました。早速にそれらを家の中に持ち込んで中を開けたところ、ビックリするほどのたくさんのお菓子がありました。思わず、「わあっ!」と声を上げてしまいました。

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 実は、こちらサウジアラビアの現地では、今日でラマダンが明けて明日から1週間の「ラマダン明け」休暇が始まります。ジッダなどの市中は逆にこの休暇中は全面的な外出禁止令が発布されており、大学キャンパス内も通常のCOVID-19警戒状況が続いていて、休暇という雰囲気もなく、自宅に閉じ籠もっていなければなりません。

 ただ、大学内の病院とスーパーへのショッピングは開店時間内での外出は許されていますが、55歳以上の高齢者(数日前に65歳以上に緩和されました)は、外出可能な時間帯であっても出来るだけ外出しないように勧められています。

 このため、週に一度この奥様がスーパーで決まった食糧を買って玄関先に届けてくださっています。大学には、この買い物代行のデリバリーシステムがあってこれも利用できるのですが、どうしても注文して2日か3日もかかることがあって、必ずしも便利というわけにはいかないようです。

 こうして、この休みも一人で孤独に自宅に閉じこもり続けねばならない教授を不憫に思って、差し入れしていただいたものと、容易に想像がつくのでした。

 人間って面白い生き物で、たくさんの人と会わねばならないときは孤独になりたいと思うし、人と会ってはいけないとなると非常に人が恋しくなるものです。特に、後者の状況は普段にはあまりなく慣れていないので、実際に会えなくても玄関に置いてある物を通じて心が交流できるというのは、非常に有り難く何者にも代えがたい人の心の暖か身のようなものを強く感じることができます。

 やはり、人は一人では生きていけないので、今回のコロナ禍における「社会(的)距離」というのは、人々の心に相当なダメージを多かれ少なかれ与えているものと思います。

 このケアをどう癒していくか、自助努力がいるのかも知れませんね。