啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

応用研究と基礎研究のバランス

サウジアラビアのアブドラ国王科学技術大学は同国随一の大学ではありますが、やはり応用研究というか、幾つのジョブをサウジ社会に創出したかという点をよく評価軸として議論されます。科学者は、しっかりした基礎研究なくしては応用研究そして新事業に基づく職の創出はないことを知っているのですが、一般の人々は「何十年も待てない」という認識ではないかと思います。
BreakthroughやInnovationというのは、レールを引いたプロジェクトの上ではなかなか花咲かないものです。また、言葉の定義からして、思いもよらないものやことから、次世代の将来を大きく左右するような発見や発明がされるのです。
実際的には、基礎研究と応用研究のバランスをどう取っていくかが、一番重要な問題なのでしょう。そのバランスには黄金比のようなものはなく、時代とともにダイナミックに変わるべきもので、時代のニーズにあったシーズがひょんなことから輩出されるような状況や基盤を作ることが最も重要なことのように思われます。m