啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

研究室のグループ・フォト(集合写真)

ホームページに載せたりパンフレットに使ったりするための研究室でのグループ・フォト(集合写真)を撮ってもらいました。
サウジアラビアのアブドラ国王科学技術大学(KAUST)での教授の研究室は、院生も入れて総勢約18名ほどの大きさですが、集合写真のときにいつも問題になることがあります。それは、サウジやイスラム圏の女性は基本的に写真には映らないということです。一般には、イスラム女性の写真を撮ることは一般には禁止されておりますが、ここKAUSTでは原則的に自由にできるようになっています。それでも、サウジ女性を中心にイスラム圏の女性は、その宗教的制約によって、一般に写真に映ることを極端に嫌がるのです。
教授の研究室では、諸般の事情から、サウジ女性やイスラム女性の学生や研究員を優先して雇用して来ています。これは、サウジや中東において、女性科学者への出来るだけの支援を行うという教授の決意の表れでもあります。大学院生8人中女性はなんと7人にも達するのです。
その集合写真に、イスラム女性は一般に参加しないので、残った連中での集合写真となってしまい、現実をうまく反映できていないことが分かってきました。特に、研究室で写真に写れる人数が減るのは致し方ないとして、研究室での女性の数が激減してしまうという問題に直面しているのです。これは、現実と全くは異なるように見えてしまいます。この矛盾に今も悩んでいるのです。