啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「遺伝単」

 朝日新聞デジタルニュースによりますと、「遺伝の「優性」「劣性」使うのやめます 学会が用語改訂」という題目で、朝日新聞社編集委員・瀬川茂子さんが、2017年9月6日19時11分付けで以下の記事が発出されています。

「遺伝の法則の「優性」「劣性」は使いません――。誤解や偏見につながりかねなかったり、分かりにくかったりする用語を、日本遺伝学会が改訂した。用語集としてまとめ、今月中旬、一般向けに発売する。
 メンデルの遺伝学の訳語として使われてきた「優性」「劣性」は、遺伝子の特徴の現れやすさを示すにすぎないが、優れている、劣っているという語感があり、誤解されやすい。「劣性遺伝病」と診断された人はマイナスイメージを抱き、不安になりがちだ。日本人類遺伝学会とも協議して見直しを進め、「優性」は「顕性」、「劣性」は「潜性」と言い換える。
 他にも、「バリエーション」の訳語の一つだった「変異」は「多様性」に。遺伝情報の多様性が一人一人違う特徴となるという基本的な考え方が伝わるようにする。色の見え方は人によって多様だという認識から「色覚異常」や「色盲」は「色覚多様性」とした。
 学会長の小林武彦東京大教授は「改訂した用語の普及に努める。教科書の用語も変えてほしいと文部科学省に要望書も出す予定だ」と話す。用語集「遺伝単」(エヌ・ティー・エス)は税抜き2800円。(編集委員・瀬川茂子)」
  この遺伝用語集は、品川日出夫・日本遺伝学会長の発案で始まり、教授が学会長の時に編集員会を結成して、遠藤隆会長に引き渡され、現在の小林武彦会長が完成させてものです。
  遺伝学会の桝谷啓志会員を中心に、多くの遺伝学会会員の努力でできた用語集です。エヌ・ティー・エスという出版社から「遺伝単」というタイトルで出版されます。教授が「まえがき」を書かせていただきました。