啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

加計学園問題と前川発言の政治的な本質

このブログでは、異論の多くなる政治ネタはできるだけ避けてはいるのですが、加計学園問題や前川・前文部科学省事務次官の「氾濫」の深部をとても分かりやすく解説している記事を見つけました。政治的には、少し「左」の立場からの主張のようですが、前川・前文科事務次官の反乱の解釈には理解しやすいところがあります。
加計学園問題: 前川・前文科次官が反乱した本当の理由 安倍“暴走”政権と霞が関の「致命的な軋轢」という題目で、伊藤智永氏という毎日新聞論説委員が週刊誌「サンデー毎日」に2017年6月6日付で書いた記事で、Yahoo!ニュースにも出ていました。
「「新国立競技場」から確執が始まった」というのです。「内閣官房副長官首相補佐官の二人の人の実名を前川氏があげたのは、その確執にあり」、しかも現政権の「新自由主義経済路線」に反発」という背景があると説きます。つまり、「政策的には新自由主義経済路線に文教行政を組み込もうとする政治の動きに、その都度反発してきたように見える」としています。
「安倍政治の「保守」「右傾化」といわれるイデオロギー政策(「愛国心」など)は、グローバル化時代を国家・国民一丸となった新ナショナリズムで勝ち抜く総動員体制作りの手段であり、伝統的な保守とは似て非なるものだろう。」とまで言い切り、「前川氏の反乱の本当の動機は、単なる加計問題の告発にとどまらない射程の長い教育行政観が底流にあったと言われてもさほど驚かない。むしろ戦後70年間の新しい伝統に照らせば、小泉・安倍政治を経済至上主義の行き過ぎと憂える立場はあり得るはず」と主張しています。

いずれにしても、政治的どのような立場であろうとも、加計学園問題の向こうに、我が国がどこに向かって動こうとしているのかや、それを世論がどう感じてきているかも、十分に理解しようとしないと、膨大な時間の無駄に終わってしまう可能性も大きいと思われます。

(参考引用: https://mainichi.jp/sunday/articles/20170605/org/00m/010/016000d?inb=ys )