啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

PAC

教授のいるサウジアラビアのアブドラ国王科学技術大学(KAUST(カウスト): King Abdullah University of Science and Technology)では、新しく雇用するファカルティ(教授・准教授・助教授)の職や昇進は、PAC (Promotion and Academic Recruitment Committee)という名前の委員会で審議され、学長に直接に推薦を行います。学長、二人の副学長、3人の学部長、そして3人の代表教授によって構成され、学長室で議論されます。
教授もこの委員会に入れられて、もう2年ほどなります。代表教授は、この委員会の任期が2年と決まっているので、そろそろ退任できる頃だと期待していますが、まだお役御免になりません。
この委員会で思うことがあります。特に教授などの人事においては、論文数やH-Indexそして論文引用数などは重要な指標になりますが、決定的な資料とはなりません。それでは、最も重要なものは何かというと、「things for you to be famed」、つまり「あなたを有名にした何か」が何かということです。
科学者として生きていこうとした場合、他の人が見つけていない新しく意味のあることを発見したり、新しい方法を考案したり、とにかく新しいことを発見したり創造し、たりことが要求されます。一般には、どんな小さなことでもいいのですが、教授となると、その新しいことが評価されたり、それで有名になったりすることが大切です。
このことが、基本的にはとても大事な判断材料となります。本日も朝からPACの委員会がありました。