啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

異教徒もラマダン

こちらサウジアラビアは、ラマダン(イスラム教の断食)に入って3日目に突入しました。
昨日、首都リアドからジェッダに戻って来ました。リアドも空港はガランとしていました。教授の大学・KAUST(アブドラ国王科学技術大学)のキャンパスも、ほとんど人の気配がありません。
リアド空港のラウンジ内は、ラマダン期間内でも、旅行中は例外として食事は許されるとのことで、一応最低限の食べ物や飲み物も置いてあるのですが、誰も食べていません。


(リアド空港の国内線ターミナルビジネスクラスのラウンジ内の食堂。ラマダンで飲食する人々は皆無。)

やはり、多くの人達が断食している中で、たとえ異教徒であったとしても、公共の場では飲食しないというのは礼儀として分かっていますが、空港のラウンジでも心理的になかなか飲食できるものではないことが分かりました。
リアドからジェッダへの飛行機の中でも、ビジネスクラスの席は少ないものの、周りは皆さんはどう見てもサウジの方々。そして、もちろん、飲食なしの断食中。
そういう中で、サウジ人のスチュワーデスさんが、気を利かしてか、教授に近寄って来て、耳元でそっと囁いてくれたのです。
「何か食べますかか?」と。もちろん、英語で。
すかさず、「え、食べていいんですか?」と、教授。
「もちろんです。スナックでいいですか?」と、スチュワーデスさん。
すると、オレンジジュースにクロワッサンとスポンジケーキの入って小箱を、周囲を一応は気にしながら座席まで持って来れました。
早朝4時起床で、確かに朝から何も食べていないし、空港のラウンジでも気兼ねして何も食べれなかったし、「さあ〜食べるぞ!」と心で叫んでみた教授でした。しかし、どうしても周りが気になり、食べれないのです!
なんですかね、これ。異教徒でイスラム教の戒律を守る必要もないのに、どうしても食べれないんですね。
宗教とは関係なく、周囲が我慢して絶食しているときに、どうしても一人だけ飲食はできないのです。こうして、異教徒の教授も「ラマダン」せざるを得ませんでした。ちなみに、教授の宗派は、おそらく浄土宗と思います。