啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

パイチャートを越えて

メタゲノミクス解析が、思った以上に人気になって来ています。
「メタゲノミクス解析」とは、土壌だろうが海水だろうが、サンプルをとったら、どういう微生物がいるかを知るのに、直ちにゲノム断片の配列決定解析に入ることです。微生物を単離する必要もなければ、培養できなくても構いませんし、顕微鏡で見えなくても全く構いません。
ゲノム断片の塩基配列がわかれば、すぐにデータベースで照合し、どのような微生物かその相対的な多様性を知ることが出来ます。ちょうど、円グラフでどういう種類の微生物がどのくらいいるかを示します。ちょうど、イタリアのピザの丸い形に似ていて、食べるときも円の中心から放射状に切って食べる図に似ていることから、パイチャートと呼ばれます。
しかし、メタゲノミクス解析では、一旦微生物のパイチャートを作成すると、その先どうしていいか分からないという難問があります。この難問を解く競争が激しく始まっています。この成否が、今後のメタゲノミクス解析の発展の成否を決定すると言っても過言ではありません。