啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

ゲノム「科学」の終焉

つまり、ゲノム解読それ自身が研究対象となる時代は終わったのです。解読したゲノム配列から、何がわかるかと言う問題設定では、もう先に進まなくなっているのです。
そのことは、言い方に微妙なところがありますが、ゲノム情報から多くのことが分かることは事実であり、ゲノム情報が大切であることとは、異なることに気づいていなければなりません。
ゲノム解読の技術的な研究開発はまだまだ発展の余地がありますし、更なる技術革新は大いに期待されています。しかし、ゲノムDNAの配列情報のみを「科学」の対象とする狭い意味での「ゲノム科学」は、大袈裟にいえば、終焉を迎えつつあるとも言えます。