啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

岐路に立つミリアッド(Myriad)社

BRCA遺伝子の検査で莫大な利益を上げているといわれているミリアッド(Myriad)社。もともと人類集団遺伝学者のマーク・スコルニック博士のこの遺伝子の発見に基づいています。
 彼は、教授も大変お世話になっている人類集団遺伝学者の大御所のルカ・キャバリスフォルザ教授のお弟子さんだったので、まだスタンフォード大学にいたころに、何度かお会いしたことがあります。そこからユタ大学に移られる直前だったと思います。モルモン家系を用いた初期の仕事が、見事に当たったわけです。
 しかしながら、Supreme courtの判断次第では、巨大な損害賠償請求も発生する可能性もあり、極めて注目すべき事案と思われます。米国のゲノム関係者は、「ヒト遺伝子はパテントできるのか」という根本問題もあって、この審判を固唾をのんで見守っている状況です。