啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「オールジャパン」の意味

 プロジェクトを国レベルで立ち上げようとするとき、「オールジャパン」体制でやりましょうという案がよく作成されます。
 これは、文字通り、省庁や研究機関の壁を越えて、日本全国の関係者ほとんど全てを巻き込んでプロジェクトを遂行しましょうという意味になります。したがって、国家プロジェクト(いわゆる、「国プロ」)のスコープとしては、非常にいいもので受け入れ易いものです。
 とうぜんながら、対財務省的にも、予算要求がしやすい案件となります。
 しかし、この「オールジャパン」体制が、くせものになることがあると言われています。より分かりやすく言えば、財務省的には「一回限りの、あるいは今回限りの」プロジェクトという意味にとらえられる可能性があるというのです。
 つまり、関連するが別の目的のプロジェクトが、個別の省庁や研究機関から概算要求をすることが困難になるのです。財務省的に言えば、「もうオールジャパン体制で手当て済みではないか。その個別の機関はオールジャパン体制に入っているはずだから。」という論理になるのです。