啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

儒教思想から考える日韓関係

 この儒教思想を日韓関係・日中関係に当てはめてみると、韓国の友人が述懐したことを想起しながら言えば、以下のようになります。韓国(朝鮮)は中国から文化を伝承していただいたという歴史を考えると、中国が「父」で韓国(朝鮮)が「子」の関係になると言われています。このため、多くの朝鮮王朝は歴史的に自王朝の象徴として「鳳凰」は用いるけれども、一般に「龍」は用いないとされているそうです。これは歴代の中国王朝の多くの象徴が「龍」であったため、「父」たる中国に遠慮して一般には「龍」を用いないことによるとのことでした。
 この相対関係を日韓関係に当てはめると、朝鮮半島を経由して多くの中国文化が日本に流入してきた歴史を考えると、韓国(朝鮮)が「父」で日本が「子」という関係になります。しかし、一般の日本人にはそのような感覚は全くありません。これは、韓国(朝鮮)側からすると、「父」たる自国に対して「尊敬がない」どころか「礼を失する」ということになります。つまり、儒教思想の父子関係を日本が決定的に壊してしまっているという基本的な思いが韓国側で構成され、「恨」の大きな集積要因になっている可能性があります。