啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「怨(えん)」と「恨(こん)」

日本では、一言で「怨恨」といいますが、「怨」と「恨」が韓国(おそらく朝鮮半島全般)では本質的に異なるということを、山折哲夫先生が日経新聞の日曜版の連載で書いていました。全くその通りだと納得した次第です。
 山折先生によると、「怨」は外に対する思いで、憤怒に近い感情であるとのこと。これに対し、「恨」は内なる思いで、悲しみに近い感情であると言います。「怨」は外への吐き出しで解消できますが、「恨」は積もっていくだけのもので深くなる一方のものです。
 日本の熟年層が大好きな「演歌」は、作曲家・古賀政男氏が終戦後韓国から仕入れてきた曲調と言われています。しかし、韓国にはもっと奥深い「怨歌」があると言われ、いわば「恨み節」なのです。こう書くと、「怨」と「恨」が混同してしまいそうですが、実は韓国のこの曲調の根源は「恨」に近いと言われています。
 もし今回の反日運動の高まりにおける日韓関係において、韓国側に「恨」があるとすると、どう未来志向で日韓関係を改善していったらいいのか、非常に難しい問題になってくると思います。