啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

類人猿に特異的な遺伝子「GLUD2」の進化を考える

 FOXP2遺伝子は、言語能力に関与する遺伝子として多く研究されています。一方、GLUD2遺伝子の研究は始まったばかり。
 GLUD2とは、「グルタミン酸受容体、デルタ2グルタミン酸受容体(GluD2:グルディー2)」のことです。
 「シナプス前部から放出されるグルタミン酸を受け取るために神経細胞が備える細胞膜表面に存在するたんぱく質グルタミン酸受容体には、AMPA受容体などいくつかの種類がある。GluD2は、小脳プルキンエ細胞に存在するグルタミン酸受容体と構造が似た分子として発見されていたが、グルタミン酸そのものには結合できないことから、孤児受容体と呼ばれ、どのようにして機能するのかが長い間謎であった。」(下記の引用の注3から。)
 このような遺伝子やその関連遺伝子群の進化研究は、教授の今年のもう一つの課題だと捉えています。