啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

国家的な研究資金ショート

 日本企業の海外移転の加速で、雇用だけでなく、法人税収の本質的な目減りが予想されます。
 また、我が国の国債の90+何パーセント以上を日本人が持っているというところで、心配ないという人もいます。
 しかし、国家的な財政状況からすれば、国民が溜め込んだ預貯金は国債という名の国家的な借金にほどんど使われてしまっていると表現しても過言でないのかもしれません。
 東日本大震災の復興のため、第1次・第2次そして第3次の補正予算が組まれていくのでしょう。
 これは、大震災復興には欠かせない財政出動であることは、委細は意見が異なっても、大筋では合意されるものと思います。
 一方、そのような巨額な資金の手当てが必要となってきます。
 一番先に削減される可能性があるのが、基礎研究や長期にわたって資金が必要とされる研究予算でしょう。
 おそらく、研究資金の予算確保については、「悲劇的」といえるほどの事態がこの国で進行する危険があります。
 早急に抜本的な対策を打たねば、研究体制が非常勤の雇用から連鎖的に崩壊してくる可能性があります。
 戦後初期を除けば、戦後初の未曾有のカタストロフへの道を知らないうちに辿っているのかもしれません。
 しかも、日本を除くと、周りの隣国の中国・韓国・台湾などは、むしろ研究開発に多額の資金が回るようになってきており、アジア的にもその事態の深刻さを自覚する必要があるように思います。