啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

細菌ゲノムにおける水平遺伝子移行の頻度

 その後、2004年に、中村洋路研究員(現水産研究センター水産中央研究所)、伊藤剛ユニット長(現農業生物資源研究所)、松田秀雄教授(大阪大学)とともに、当時利用可能であった150種を超える細菌の全ゲノムデータを、全国の8つのスーパーコンピュータを利用させてもらって、総当たりの比較解析を行いました。
 その結果、全ゲノムの約14%以上の遺伝子が他の細菌やその他の生物のゲノムから由来してきていることを明らかにしました。おそらく、水平遺伝子移行によってもたらされたものと思います。
 そして、その研究でも、山本達男教授との先行研究を確認しました。今後のこのような比較ゲノム研究に参考になればと思います。
Nakamura, Y., Itoh, T., Matsuda, H. and Gojobori, T. (2004). Biased biological functions of horizontally transferred genes on 324,653 open reading frames of 116 prokaryotic complete genomes.
Nature Genetics 36(7): 760-766.

(http://www.nig.ac.jp/labs/DnaData/)