約30年ほど前の話です。
教授の娘は、米国のテキサス州のヒューストンという都市で生まれました。
属地主義を取る米国では、必然的に娘は米国籍を持つことになります。
ある日、娘の米国パスポートを取得するため、日本人の父である教授がヒューストンの市役所の窓口を訪れたときのことでした。
役所の人が、出生証明書だけでなく、米国国籍をもった証人が1人必要であるというのです。その証人はだれでもいいというのです。
たとえ道行くすれちがう人でも、「この子があなたの娘だ」と一言言ってくれる人なら誰でもいいというのです。
しかし、結局は誰も証人になってくれませんでした。 やはり、一言で繋げられる人間同士の絆を大切にしたいですね。