啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

テキサスの大恩人、逝く

教授は、学位を取ってすぐに、米国テキサス州のヒューストンのメディカルセンターにあるテキサス大学ヒューストン校に留学し、ポストドクを2年そしてResearch Assistant Professor (助教授)をほぼ2年の合計ほぼ4年を過ごしました。もう約35年前のことになります。
そこで、英語を磨くため、キリスト教の日曜学校に毎週通い、聖書を勉強しました。教授はキリスト教徒ではありませんが、そこで先生だった人がMr. Frank Heard (フランク・ハード氏)という方で、英語だけではなく人生について大きな影響を受けました。
ハードさんは、石油会社エクソンの法律専門家として活躍、その後法律事務所で指導的な立場で勤めあげます。実は、その前、第二次世界大戦後の東京裁判で日本側の弁護を引き受けた経験から、日本や日本人に大きな尊敬を寄せ、米国に留学する日本人を非常に多数助けて来られました。教授は、その中の一人だったのです。
しかし、その後もヒューストンに数ヶ月滞在することも頻繁にあり、公私ともにハードご夫妻にお世話になります。ヒューストン郊外のプライベート湖で、自家用モーターボートで引張ってもらう水上スキーを、愛娘とともに教えてもらったりしたことは、今も鮮明に記憶に残っています。
私の米国留学時代の大恩人、ハードさんが享年100歳で逝ってしまわれました。ここに、深い哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈り申し上げます。

http://www.legacy.com/obituaries/name/frank-heard-obituary?pid=1000000178009442