啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

Manfred Eigen先生の教訓

教授は、自身が40歳のころ、ドイツのGottingenという街のManfred Eigen先生にご招待をいただいて、Max Plank研究所で講演をさせていいただきました。講演終了後、ディナーのためのレストランに連れて行っていただく前に、教授をEigen先生のご自宅に招いていただきました。そして、素敵なテラスで二人だけでシャンパンをごちそうになったことを思い出します。

上質なシャンパンのせいでほろ酔い気分になった勢いもあって、ちょっと「ミーハー」な質問を、Eigen教授にしてしまったのです。「先生、どうしたらノーベル賞をもらえるような研究ができるのですか?」と。教授も、若かったということでしょうかねえ、こんな単刀直入な質問をして。

でも、Eigen先生の答えは、今もしっかりと覚えています。
「3年以内に解けそうな問題は、やらないほうがいいです。でも、10年以上もかからないと解けそうな問題もやりなさんな。」と。
つまり、「いい問題」を選びなさいということでした。

世界的な研究者は、この「いい問題」に取り組んでいる場合が非常に多いのです。もちろん、例外もありますが。