啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

2011-08-22から1日間の記事一覧

場所と自分との絆

それを防ぐ次のパラダイムは何か?それは、物ではなく「絆」、人同士の信頼関係。家族を孤立させ、箱の中で利己主義に傾斜してきた個人主義の終焉を予想しているようです。 特に、場所と自分を繋ぎ直す作業としての信頼関係。この大事さを隈氏は力強く説いて…

個人主義という名の利己主義

「白い箱」型住宅は、点で起こる災害からは、リスク分散という意味で、どこかはやられるが別のところは残るので、かなりの対応効果がありました。 一方、この閉鎖空間が、核家族化として、家族の分断や孤立化に拍車をかけます。 さらに、個人主義を助長し、利…

「白い箱」型住宅の終焉

しかし、この「白い箱」エンジンは、20世紀流文明の崩壊の前兆として、破綻していこうとしています。 2005年のハリケーン・カトリーナが襲った米国ルイジアナ州のニューオリンズは、「白い箱」型住宅に壊滅的な被害を与えました。 リーマンショックも、人が…

目的としての「白い箱」型住宅

そして、この「白い箱」型住宅の獲得のため、人々は、勤勉に働くことを学び、土地の私有制を洗練し、住宅ローン制を発明してきたとします。 いわば、この箱をエンジンとして、労働が、工業社会が、そして資本主義経済がまわりだしたと、考えるのです。 その…

リスボン大地震と「白い箱」型住宅

1755年11月1日に起こったポルトガル・リスボンでの大地震が、個人住宅として「白い箱」型の家の始まりと、隈氏は言います。 緑の芝に映えるこの「白い箱」住宅が、アメリカでの典型的な住宅であり、これが当時の弱い集合住宅で一蓮托生で自然災害からの危険…

科学者グループとしての社会対応

専門ごとでの問題には対応できても、社会が要求する回答には、いろいろな専門が複雑に絡み合ってた事象に関することが多いでしょうから、まさに科学者としても深刻な問題になります。

一人の科学者の限界

とりわけ、一人の科学者が問題の全容を語れなくなっている状況は、ライフサイエンスでも同じであると思われます。 吉川先生のご指摘は、ライフサイエンスにとっても、今後とても大事になってくると思われます。

コラム記事のポイント

吉川先生のコラム記事で、3つのポイントがまとめられておりました。 (1)原発事故巡る科学者の助言の中立性に問題。 (2)一人の科学者では人工物の全体像が見通せず。 (3)領域の研究と社会への助言が科学者の使命。 となっています。

隈研吾氏のコラム記事

日本経済新聞8月17日から始まった「ニッポン 再興のとき」シリーズ3話(上・中・下)で、8月18日の吉川弘之先生のコラム記事が「中」になるようです。 先日ご紹介した8月17日のエモット氏のコラム記事は、同シリーズの「上」でした。 ならば、8月19日の同シリー…

吉川裕之先生のコラム

日本経済新聞8月18日(木)朝刊の「経済教室」コラムに、「科学、統合的知性の創造を」と題し、「領域越えた協力必要〜信頼回復、社会への助言で〜」という副題付けて、元東京大学総長で前産総研理事長の吉川裕之先生が書いておられます。 吉川先生は、産総…