ジワリジワリと新型コロナの新規感染者数が増えてきたようです。オミクロン株の感染が急拡大しそうです。これは、どこまで拡大していくか、少し心配になってきました。
(木)木村資生基金のことで浜松へ
木村資生基金のことで、朝早くから浜松へ出張でした。
午後遅くに、浜松から東京に新幹線で直行しましたが、東京は大雪でした。このため、東京の予定は全てキャンセルとなりました。大雪の東京は久しぶりでした。
(月)箱根で大渋滞!
家族で箱根に車で行きました。箱根峠を越えたところ元箱根付近まで車の渋滞に巻き込まれてしまいました。車がなかなか動かないのです。どこかで車を止めているかのような悲惨な渋滞でした。お正月の箱根へのドライブは、元箱根付近は是非避けましょう。
(日)隔離期間があけました!
日本の新型コロナの水際対策は、海外在留者の立場からすると、非合理的なところが多く是非改善するといいようなところが多く見えます。とりわけ、欧米やその他の先進国における水際対策と比較すると、非合理的に厳しすぎるように思われます。もちろん、「ゼロコロナ」政策をとる中国は、入国と隔離期間を合わせて2ヶ月かかるので、中国と比較することはできません。
一方、日本に在住の多くの人たちからすれば、水際対策はできるだけキツくやってほしいというのは本音だと思います。特に、飛行機に搭乗する前に乗客は全員PCR検査で「陰性」であるはずなのに、どうして成田空港や羽田空港に到着して抗原検査したら「陽性」者が出るのか?、という疑問は当然です。飛行機の中の10時間前後で新規感染がそんなに頻繁に起こるとは考えられません。今ままで、飛行機の中でのクラスター発生は報告されていませんし。
その意味では、到着空港での抗原検査は意味があるのかもしれません。しかし、水際対策は感染増大を遅らせるものであって、それをストップできるものではありません。その間にどういう有効な対策を準備できるかの時間稼ぎなのです。
もう一つは、オミクロン株の重症度などの精査が必要で、どこまで対策をとるべきかを科学的に決断する必要があるのでしょう。
何れにしても、教授の14日間の隔離期間は本日で終了です!
(日) オミクロン株蔓延への対策ポイント
オミクロン株の市中感染がいよいよ初期段階から急速に伝播していく段階に移行する中で、重要なのポイントが見えてきたように思います。
デルタ株と比べて、オミクロン株の感染力がかなり強なっている一方、重症化リスクや死亡リスクはかなり低いことが分かってきました。
そういう状況の中で、医療逼迫の轍を二度と踏まないよう、科学的な知識に基づいた早期の効率的な対策が求められます。つまり、限られた人材を含むリソースを前提に、有効な対策を早目に用意するということです。
端的に言えば、今後オミクロン株の感染者が急激に増加することを想定して、感染者の方々で軽症か中症の人々への対応を用意することです。そして、濃厚接触者の定義をより明確に限定させて、無駄な対応を貴重な人材を幅広く対応させないことです。
はっきり言うと、「安全・安心」の「安心」を意識しすぎて無駄な対応ばかりで貴重な医療人材を消耗させたり枯渇させたりしないことです。
水際作戦は、飽くまで市中感染を「遅らせる」ことが主眼であって、それを食い止めることはできません。遅らせて作った貴重な時間をオミクロン株の感染による軽症化・重症化の対策準備を早急に行うことだと思います。
以下の記事は、コロナ感染者の治療方針が非常に分かりやすく的確に述べてあります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20211226-00274368/
(木) 新型コロナの飲み薬の解説
新型コロナウイルスに対する「飲み薬」が、ついに出てきました。大きく分けて2種類のウイルス機能を阻害すると薬剤です。
一つは、ウイルスが自身のタンパク質を切断して機能性を持つようにするプロテアーゼを阻害するもので、「プロテアーゼ阻害剤」と言うものです。もう一つは、ウイルスの遺伝情報であるRNAの複製を阻害する「RNAポリメラーゼ阻害剤」です。
(1) 「プロテアーゼ阻害剤」
ファイザー「PF-07321332」
塩野義製薬「S-217622」
(2)「RNAポリメラーゼ阻害剤」
ロッシュ「AT-527」
メルク「モルヌピラビル」
乞うご期待!
https://mainichi.jp/graphs/20211110/hpj/00m/040/003000g/1?inb=ys
(水) オミクロン株の起源を考える
新型コロナウイルスのオミクロン株の起源を考えることは、この変異株がどういう性質を持っているかを論理的に推測し、それに対する科学的で非常に有効で効率的な対策がとれることになります。
オミクロン株のゲノム配列データは、ドイツのGISAIDというデータベースに一番完備された形で格納されています。このデータベースは完全に重要な公開の原則を持っていないので、国際的な公共データベース(Public Databas)と言われるDDBJ/EMBL/GenBankとは相容れないところがありますが、その話はいずれ別の機会に行いましょう。
このGISAIDデータベースには、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の全ての株のゲノム配列データが格納されており、現在500万以上の単離株(感染者から単離されたウイルス)が入っているおり、日々すごい勢いで増えていっています。
その中でも、オミクロン株のゲノム配列データは、12月5日頃の時点では約200程度の数の単離株であったのに、12月10日頃には約500余りの単離株となり、12月17日頃には5000を超える単離株にもなっていました。
ちょうど、12月27日に公益財団法人・遺伝学絵普及会主催の「寺deサイエンス」というサイエンス・カフェで「新型コロナウイルスの進化と変異という題目で教授が話をさせていただき、このオミクロン株のゲノム配列データを取り入れた新型コロナウイルスの系統樹を構築して、参加者の方々に見ていただきました。
特に、5000のオミクロン株の全ゲノムを取り入れて、デルタ株やその他の代表的な変異株のゲノム配列データとともに構築した系統樹は、圧巻であったと思います。
そして、その系統樹からこのオミクロン株の起源を辿ってみてみますと、オミクロン株はデルタ株から直接に最近分岐し派生して出てきた変異株ではなく、アルファ株やそれらと共通祖先を共有する株から由来していることが、一目瞭然として分かりました。
そして興味深いことに、この系統樹によると、全てのオミクロン株のゲノム配列は上述した祖先から一本の直線のように長く枝が伸びて、その末端のところで平たく大きく広がっているように見えます。
どこか長く隔離されていたようなところで増殖し、ゲノムに突然変異を溜め込んだ後、ごく最近になって広く様々な人々に感染し、そこで激しくいろいろな突然変異を起こしてさらに広がっていっているように見えます。
最近のサイエンス誌には、まだ数少ないオミクロン株のゲノム配列データを取り入れて構築した系統樹が示されていますが、それも大体同様な特徴が示されています。
そこから見えて来るオミクロン株の起源の様子が的確に捉えられています。つまり、オミクロン株は、最近になってこの患者から何らかの形で他の人々に感染し、それぞれの人達ひとり1人の中で多くの変異を次々と起こし出していっているという考え方が合理的に思えます。
この考え方すると、免疫不全患者の体内に長期間に亘って存在していたとすると、そのような変異株が宿主である人に大きな悪さをしたり悪影響を与えるほどの病原性を持っていては存在できないので、病原体性は弱くないといけないことになります。
(木) パウンド・フォー・パウンド
ボクシングの井上尚弥選手の世界的な活躍は、目を見張るものがあります。過去の日本の世界チャンピオン達が口を揃えて「彼は特別だ」という理由は、その素晴らしい戦績からもすぐに分かります。
まさに、「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」と英メディアが報じているとのことです。
「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」とは、 「全階級を通じた最強王者を示す称号。ボクシングは17階級(WBCのみ18階級)あり、世界主要の認定王座も4団体に分かれる。団体によって1階級にフランチャイズ、スーパー、暫定など王座そのものも増加しているため、最強ボクサーを示す意味で用いられ、米老舗誌ザ・リングのPFPが有名。世界ミドル級、世界ウエルター級両王座を獲得したシュガー・レイ・ロビンソンが最初にPFPと呼ばれたとされる。過去にはマイク・タイソン、ロイ・ジョーンズもPFPと呼ばれ、マニー・パッキャオ、フロイド・メイウェザー、ワシル・ロマチェンコ、現在はサウル・アルバレスがPFPとの評価を受ける。またキックボクシングや総合格闘技でも、同じく最強王者の称号として使われる。」
引用:
https://news.yahoo.co.jp/articles/28ec1ac73df97bc5423e4e43e2c06e8be7f72b68
(月) アブダビ・F1グランプリの最終周で劇的なホンダ優勝: 30年ぶり!
先週は、教授の住む大学KAUST近くのサウジアラビア第二の都市ジッダで開催されたF1グランプリ。サウジアラビアで初めての開催ということで、大いに盛り上がりました。結果は、例に漏れずメルセデスのハミルトンが優勝。ホンダ勢は惜しいところでした。
しかし、先程行われた2021年最後のF1グランプリがお隣のUAEの首都アブダビで開催され、最終周でトップを走っていたハミルトンをホンダのマックス・フェルスタッペンが抜いて優勝を奪いとり、今季限りでF1撤退するホンダに劇的な優勝と30年ぶりの年間王者の栄冠をもたらしました。
時事通信 (日本時間: 配信)は、以下のように伝えています。
「ホンダ、30年ぶり王座奪還 劇的決着で有終の美―F1」という見出しの下、
「【アブダビ時事】自動車のF1世界選手権シリーズの2021年最終戦、アブダビ・グランプリは12日、アブダビで決勝が行われ、エンジンを中心とするホンダ製パワーユニットを搭載するレッドブル・ホンダのマシンに乗るマックス・フェルスタッペン(24)=オランダ=が今季10勝目を挙げて初の年間王者に輝き、F1活動を今季限りで終えるホンダが有終の美を飾った。」
「フェルスタッペンは、残り1周で再開されたレースの最終周でトップに立って優勝。劇的な形での決着だった。 ホンダエンジン搭載車で年間王者になったのは、1991年にマクラーレン・ホンダで3度目のタイトルを獲得した名ドライバー、アイルトン・セナ(ブラジル)以来30年ぶり。 」
なんか、映画化になりそうな結末でした!!
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6203fe20905fbd5c344953e652f64bbe8049b42