啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

有痛性筋痙攣(けいれん)

「有痛性筋痙攣(けいれん)」とは、いわゆる「こむら返り」の医学用語で、足が突然「つる」ことを言います。
とても良いブログを見つけました。
同友会グループの「2016年8月号 夜中に足がつることはありませんか?」という記事。
http://www.do-yukai.com/medical/83.html

まず、「睡眠中に足がつる理由」として、以下の記述があります。
「意識していない強い筋肉収縮が突然発生し、つって痛みを伴う症状を俗に「こむら返り」と言い、医学用語では「有痛性筋痙攣(けいれん)」や「筋クランプ」とも表現されます。一般健康人でも激しい運動や長時間の立ち仕事の後には下肢を中心に起こることがありますが、50歳以上ではほぼ全員が一度は夜間のこむら返りを経験しており、60歳以上の6%が毎晩こむら返りに襲われているという報告もあります。」
「一般に、筋肉の細胞はカルシウム、マグネシクム、ナトリウム、カリウム、水素の各イオンのバランスによって反応のしやすさが決まるのですが、健康な人ならば過剰なイオンは尿や汗などから排出され、反応性がちょうどいい範囲内におさまるよう調節されています。ところが、睡眠時は汗を多くかいており脱水傾向にあります。さらに全身をほとんど動かさないため、心拍数も減り、血行は低下しています。夏場に冷房をつけっぱなしで寝たり布団をかけずに寝ると、足の筋肉が冷え血管も収縮し、血行はさらに悪くなります。こういった悪い状況でイオンのバランスが崩れているときに、たまたま寝返りをうって筋肉に刺激が加わると、筋肉の細胞が暴走して過剰な収縮が発生しやすくなってしまうのです。」

また、若い人達にはあまり関係ありませんが、「なぜ中年に多いか?」については、以下のようです。

「中年になるとリスクが高まる?
ではなぜ中年以降で起こりやすくなってしまうのでしょうか。その理由として、若いときより運動量が減っているため、筋肉量が減少している⇒筋肉内の血行が低下する⇒乳酸などの疲労物質が排出しづらい⇒末梢神経の興奮を抑えにくくなる⇒筋肉の細胞が暴走しやすい、ということが考えられています。悲しいかな、年をとるとたいした運動をしていなくても筋肉に疲労が生じ、睡眠中に足がつるリスクが高まってしまいます。
他にも例えば妊婦は、過呼吸によって血液がアルカリ性に傾いていたり、子宮が下大静脈を圧迫して循環が悪くなっていたり、足が常に疲労していることからこむら返りを起こしやすいことが知られています。なお、こむら返りの痛みがあれほど強いメカニズムは、実ははっきりしていません。落ち着くとまったく痛くなくなるのが不思議ですね。」

そして、基本的には治療は不要ということですが、

「こむら返りが起こったとしても、ほとんどのケースでは一過性の現象ですので、ストレッチとマッサージをする程度で大丈夫です。痛いのがふくらはぎであれば、膝を伸ばして座って足の指先をゆっくりと手前に引き寄せたり、立って足を前後にずらしてアキレス腱を伸ばす要領でふくらはぎの腓腹筋をストレッチしましょう。・・・・
予防および発作時の治療として内服薬を使うこともあります。よく使われるのは漢方の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)で、10分くらいで効いてきますので速効性もありますが、甘草による副作用が出やすいので、毎日3包内服するのは避けたほうが良いでしょう。他に使われるものとして、甘草を含まない牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)や八味地黄丸(はちみじおうがん)、筋弛緩薬のエペリゾン(ミオナールなど)、抗痙攣薬のジアゼパムセルシンなど)があります。
ただし、起こる回数が多くて生活に支障が出てしまう方は、他の重大な病気が隠れていないかチェックする必要があります。こむら返りが起きやすい病気を表に挙げましたが、喉が渇く・手足がしびれる・歩行しづらい・腰痛がある・足が異常にむくむ・言葉のもつれなどの症状に思い当たる節があれば、早めに医療機関を受診しましょう。」

以上、とても参考になります。