啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「特定研究大学(仮称)」構想に要注意!

産業競争力会議が提唱している大学構想です。
「イノベーションの観点からの大学改革の基本的な考え方」(案)が、平成26年12月17日に「産業競争力会議 新陳代謝・イノベーションWG」から公表されました。
これによりますと、「特定研究大学(仮称)」制度が提唱されています。これは、既存の大学を類型化する中で、ある基準を満たした大学(国立大学だけでなく私立大学も)を「特定研究大学(仮称)」に指定して重点的な支援を行うものです。
この「特定研究大学(仮称構想)」制度には、「卓越大学院」と「卓越研究者」の設置・採用が付いてくることになります。

「3.特定研究大学(仮称)
○世界水準の教育研究機能を有する国立大学などで一定の条件を満たしてい るものを特定研究大学(仮称)とし、特例措置を講じて支援する制度を創設 する 。特定研究大学制度を「今後 10 年間でグローバルランキングトップ 100 に 10 校以上入る」とのKPIを達成する上での1つのツールとし、世 界の研究大学を意識した経営等を行う ことを促進する。

○特定研究大学になることは中期目標期間の期中でも可能とする。

○特定研究大学の条件 として、学内ガバナンス、教育研究、学内評価のグロ ーバル度等を勘案する (※)。例えば;、

  • 学内カに関して、学長選考会議や経営協議会等への海外トップ研 究大学経営陣(経験者を含む)等の参画の有無など。
  • 教育研究に関して、外国人教員や外国人留学生が一定割合(数)以上、英 語による学位コースの割合など。
  • 学内評価に関して、グローバル評価(海外の研究大学等の関係者の参画に よる厳格な評価)の実施など。

(※)なお、上記の事項は、必要に応じて、特定研究大学以外の世界最高水準の教育研究 を目指す大学についても、積極的な対応が求められるものである。

○厳しい条件とする一方で;、教育研究の自由度の拡大(大学院と学部の定員見 直しなど、組織編成の設置手続きの弾力化、授業料設定の自由度の拡大(授 業料減免を含む)等)、財務基盤の強化(余裕金運用対象範囲拡大、優秀な内 外の学生確保のための支援(奨学金、RA経費等)等)などについて、競争的 資金改革の動向をも踏まえて、インセンティブを付与し、大学自らが競争 力強化の取組を行うことを支援する。


○加えて、グローバルに競争する世界水準の研究大学として格段の競争的環 境が求められることから、競争的資金や寄付金を含め財源の多元化を図り 運営費交付金への依存度を下けるなど財政構造の変革を図る。


○また、特定研究大学は、卓越大学院を有し、卓越研究員 (いずれも後述) の制度を積極的に活用することから想定される。」