啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

「Selfish DNA (利己的DNA)」の異なる2つの意味

ちょうど、一昔前に、「Selfish DNA (利己的DNA)」という一見魅力的言葉使いが、全くことなる意味で用いられて混乱したことがある状況に似ています。
 つまり、ゲノム上のトランスポゾンやレトロエレメントのように、ゲノム上にあるのに、その宿主生物ゲノムの制御を強く受けることなく、うまく移動したり増殖するようなDNAエレメントのことを指します。
 しかし一方、リチャード・ドーキンス博士があの有名な人気本の題名にした意味で、個体が引き起こす行動や現象のほとんどは、自身の(ゲノム)DNAを生き残そうとするという考え方を「利己的遺伝子」と言っています。