啐啄同時

若手研究者を応援するオヤジ研究者の独白的な日記です。

中国不動産の価格上昇の仕組み

 ある中国の研究者から、中国経済の減速が目立つ昨今でも、不動産価格は上昇し続けていると聞きました。これは、中央政府の権力権限に比べて、地方政府のそれは極めて低く、税収に至ってはその地の不動産関連でしか徴収できない仕組みになっているといいます。
 つまり、地方政府は、不動産価格の上昇を維持させるしか、その地方の税収を確保できない仕組みになっているようです。特に、経済活性の中心地の上海では、その傾向が強く、その分不動産価格の上昇率も高くなるということでしょう。
 健全な需給バランスに基づく経済活動による不動産価格の上昇ならば、バブル崩壊のリスクも少なくなるのでしょうが、そうでない要因の存在は、さらにバブル崩壊の可能性を高めるものと思われます。
 貧富の差が「都市と地方」の人達(人民)だけでなく、「中央と地方」の政府の税収問題にもあるとすると、政治システムの問題として根が深いと思われます。